「わたしは二月が好き」とある女流歌人が言った。歌詠みは自然の気配に敏感だ。花がいっせいに開く三月より、満を持して木の芽がふくらみ始める二月に、時の動きを鋭く感じるのだろう。 庭の梅は枝のすみずみまで今に咲くぞとつぼみを並べ、福寿草は黄色い頭…
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