2006-04-01から1ヶ月間の記事一覧

魂柱・アニマ

きのうバイオリンをわが家にお持ちくださった中村良樹さんの工房では、その材料の板が風通しよく重ねられている。松もカエデもイタリアから買ってきたもの。 イタリアでも最良といわれるウディネ地方の樹齢200年の松の大木を探し、枝のない幹を輪切りにする…

絶句するバイオリン

きのう横浜・本牧のバイオリン製作者・中村良樹さんが、修理に預けていたバイオリンを持って来宅、103歳の母の枕元を見舞ってくださった。 その良樹さんの家庭集会に、私は1982年から12年間毎月うかがった。その前10年近く父が集会をしていた。そこで良樹、…

すご〜い、きれ〜い

あすからゴールデンウイーク。大型連休だ。国内、海外へどっと人々はくりだす。 日本人は古来旅好きな民族。それが江戸時代、街道も整備され、手形さえあれば庶民の旅行も自由になり、伊勢参宮は「抜け参り」させるほどブームとなった。十返舎一九の「東海道…

103歳、五つの感謝

103歳の母の介護は、ほとんど1階で母と同居の妹夫婦がしている。家内は呼ばれるつど二階から降りて面倒をみる。わたしは朝、半紙に父の短歌を書き母に見せる程度だ。けさの一首はこれ。 「サマリヤの井戸より妻の汲みて来し水ひと息にのみほしにけり」 母に…

うわみず桜

ふと二階のベランダから下をのぞくと、山桜と思っていた木に白い穂がたくさん見えた。山形の独立学園からいただいた木だ。10年あまり、ただ桜肌の幹は太り、葉は繁るばかり。それが咲いた!その穂は小花が40ばかり集まり、10㌢ほどの長さ。 さっそく学園の助…

韓国と日本、似ていて違う

韓国では王朝が変わると宗教も文化もがらりと変わる。高麗時代(九一八−一三九二)は仏教の国。つぎの李氏朝鮮(一三九三−一九一〇)は儒教の国。仏教は山の上に追われ、城壁のある町には僧侶の出入りを禁じた。陶器でも高麗時代は青磁一色、それが李朝では…

犬の散歩

朝はやく犬を散歩させている人がいる。もちろん夕方も多い。犬の運動のためだが、人間の健康にもよいのだろう。中年の女性が小犬にかわいいドレスを着せて綱を握っている。なかには犬同士が仲良く嗅ぎあって、飼い主同士も話しこんでいたりする。 どちらかと…

カレーレのシピは複雑怪奇

わが家のカレーつくりはわたしのつとめ。夕方5時に支度を始め6時には完成。 まずじゃが芋は4個ほどの皮をむき乱切り。人参1本は赤色の存在感が出て煮えやすい薄長に削る。玉葱1つ半を輪切り。ピーマンは彩りのため細かく刻む。茄子2本は長切り。100㌘198円の…

すずらんクリスチャン

庭のすずらんが咲き始めた。じつに可憐。 株分けをしていただき、もう10年はたつが、「すずらんは雑草だ」と感心するほど思わぬ先まで延びてゆく。4月の始めには気配がなかったのに、この10日くらいで、つんつん緑の葉が伸び、あっという間に花をつけ始めた…

クルーセードぎらい

一時、日本の教会は「クルーセード」ばやりだった。クルーセードは「大伝道集会」の別名だ。米国から有名なテレビ伝道者が続々来日し、日本の大衆伝道者といわれる牧師たちと、大会場に何千人何万人の聴衆を集め、いっきに日本がキリスト教化されるような幻…

100円ショップ

商店街を歩いていると、家内が「ちょっと待って」と100円ショプに吸い込まれる。しばらくして「これが100円よ」と喜ぶ。作った人に申し訳ないような値段だ。 また大規模100円書店もある。安売りチエーン店では消費税こみ105円の大量販売。広いスペースにぎっ…

尾瀬の「秘境」は「人里」

わたしの友人に山歩きが好きな男がいる。べつに高い山へ登ったという話はきかない。東北の山里に生まれ育ったせいで、ただ山中をさまよい歩くのが好きらしい。 奥羽の山地を越え、会津と越後の境の峰々を野宿しながら歩き、まったく人に会わずに日が暮れるこ…

読みたいな よし読もう もう読めない

「読みたいな」と思ってたくさん本を買った。また図書館で借りた。 「よし読もう」と思って読んだ本はどれくらいか。参考図書は別に、1年20冊読んだとして50年で1000冊。万巻の書といわれるなかで、たかが知れている。それに読むはしから内容を忘れている本…

もしも指の爪がなかったら

もしも指の爪がなかったら かゆいところが かけません もしも眉毛がなかったら ひたいの汗が 目にしみる もしも頭の髪がなかったら お日さま じかに照りつける もしも草木がなかったら もしもお水がなかったら もしもおさかないなければ もしも鳥たちいなけ…

イースターと本の復活

きょうはイースター。イエスの復活を祝う朝だ。 ところで、むかしわたしが勤めていた国立国会図書館では「本の復活」があった。 国会図書館中央書庫の第1層は深い地下。そこにむかしの上野帝国図書館の、明治、大正、昭和前期の本が15万冊ほど収まっている。…

平凡な主婦の非凡な最後・浜谷不二さん

昨年3月10日64歳で主に召された浜谷不二さんの記念会が、きょうつくば市で開かれた。 2003年5月、彼女はすい臓ガンと診断され「命はあと半年」と宣告された。それを聞いた彼女は、その生涯の最後に三つのことに集中した。第1は「聖書のことばへの集中」。第2…

是字寺

この春から、NHKの朝の連続テレビ小説「純情きらり」が放映開始。ヒロイン・桜子が岡崎の八丁味噌蔵の味噌桶に落ちるところから話が始まる。 岡崎はなつかしい町。1989年以来16年間、年に3〜4回、桐山雅吉・悦子夫妻に招かれて集会におとずれた。97歳と90…

あっという間に樹はみどり

庭一番の高木「譲り葉」が芽吹き始めた。負けじと隣りの「木犀」が艶やかな新芽を一面に輝かす。きょう阿佐ヶ谷まで歩いた大通りの「欅並木」は、いっせいに梢を萌葱(もえぎ)色に染めた。 2002年の春、わたしはこんな歌を作った。すると錦見義子様が曲をつ…

たけのこ掘り

朝、関西から筍をいただいた。ずっしり重い若い筍が、まるで十二単(ひとえ)を羽織っているかのように竹皮をかさね、その先端にヒゲを伸ばしている。 岡山県の農家へよく聖書の話に出かけた。筍の出るころ裏山で掘らせていただいた。 そのとき「わずかに顔…

糸杉の墓

きのう家内と藤尾家の墓参りに多磨霊園へ行った。そこにフィリッピンで戦死した父の弟・彰と、父・英二郎と、父の母・きぬが入っている。 花屋が「少し前なら」と桜の盛りを惜しんでくれたが、それでも名残の花は咲いていた。 藤尾家の墓石は小さいのに糸杉…

源平しだれ桃

庭に「源平しだれ桃」の細い苗木を植えて10年あまり。いまでは片手に余るほどの幹の太さとなった。3月終りから咲き始め4月なかばまで咲く。ことしも、四方に丸くのばし垂れ下がる枝のすみずみまで、群がり重なる花をつけた。 源氏の白旗と平家の赤旗の名の…

「笑点」人気。「バ〜カ」

日曜日の夜5時半になると、日本全国「スッチャカ、チャカチャカ、スッチャカチャン」と、読売・日本テレビの音楽が流れる。言わずと知れた「笑点」始まりの曲だ。 この5月に放送開始40年を迎え、すでに連続2010回を越える長寿番組。しかも放送時間は、人気の…

マンモスの足と耐震偽装

国土交通省が「第三者委員会」の報告を受け、耐震偽装対策にやっと乗り出した。 それにつけても思い出すのは、国立国会図書館の中央書庫の柱の太さだ。国会議事堂北隣りの国会図書館は、一辺90㍍の事務棟のまん中に一辺45㍍の正方形の書庫が立つ。無窓の書庫…

103歳 一瞬、一瞬に生きる

朝、父の歌集から短歌を一首抜き出して半紙に書き、居間のソファーで寝ている母に見せる。「春泥のロンドンのまち赤色の二階のバスに妻乗りたしといふ」。「覚えている?」「覚えている」。古い記憶は残るのか。 だいぶ目も弱り、前ほどすらすら読めない。こ…

メールと手書き

「ワンセグ」とかが始まって、それでなくても「携帯オタク」の若者が、朝から晩までピッ、ピッ、ピッ。官庁でも会社でも、机のパソコンにメールで仕事の指示か来て、その報告も、上司のチェックも、顔を合わさずにすむ時代だ。 たしかにメールは早くて、安く…

春の選抜高校野球と応援団

4月4日、春の選抜高校野球決勝戦が、横浜高校と長崎の清峰高校で戦われた。 双方の応援団がまた激しくやりあう。とくに清峰高校は長崎県チームとして、80余年の春・夏の甲子園を通じ、決勝戦進出は初めてのこと。そのうえ初出場。もうたいへん。野球と関係な…

靖国とナチス

きのうの「朝日新聞」に、安倍、麻生という小泉後継の有力者が、「中国は靖国問題を外交カードに使うな」との批判記事。しかし靖国はれっきとした外交問題だ。たとえばドイツの首脳がナチスの墓参をすれば、周辺諸国は黙っていまい。靖国はそれに似た存在。 …

歳をとっての街なか暮らし

一昨年、四国西南端の足摺岬から松山までバス旅行をした。道路も民家もりっぱ。今は日本中どこも生活スタイルは東京と同じ。土地が広いだけ豊かでゆったりしている。しかし東京に家があり、住みなれた者は、いまさら田舎に移れない。 東京を離れ、理想的なケ…

桜散る いとこの死

きのうの朝、東京駅の京葉線は、東京ディズニーランドを目指す子どもづれの家族でいっぱい。しかし葬儀式場へ急ぐわたしは、つぎの電車を待つ余裕もなく発車直前の車両に乗り込む。ふとわたしにさわる人がいる。見ると女性がわたしに席をゆずってくれていた…

「四月バカ」「五月マジメ」

きょうは「エープリル・フール」。「四月バカ」とも「万愚節」ともいう。「罪のない冗談や、いたずらで、人をかついでも大目に見られる日」だ。 「○○さん受付に若い男の方が面会よ」と教え、立ち上がった女性のあとを一人がつけて、トイレで念入りに化粧する…