2006-07-01から1ヶ月間の記事一覧

叶水(かのみず)夏の学校

第28回・基督教独立学園「叶水夏の学校」から帰ってきた。全校生徒75名の、日本一小人数の全寮制高校。内村鑑三の弟子・鈴木弼美(すけよし)が1948年に山形県の山奥に創立した。 在校生が夏休みでいなくなる学校を会場に、生徒の父兄や、卒業生が中心になっ…

矢を放つ

弓を左手(ゆんで)で前へ押し出し、右手(めて)でその弦を強く引き絞るほど、つがえた矢は遠くへ飛ぶ。 では弓とはなにか。弓は主から与えられたこの自分。その器量は長短さまざま。弓にたとえれば、大弓もあり、小弓もある。その大小を誇らず嘆かない。 …

酒枝義旗先生傑作集

きのう山形県の基督教独立学園・「叶水夏の学校」に来て、午後「忘れられぬ人々」の題で講演。信仰の師・酒枝義旗先生の信仰について語るうち、聴衆の眠気さましに、日常生活で数多い先生の失敗談をご披露。 病院で看護師さんが「先生、検便です。あすお持ち…

藤井武と天秤(てんびん)

信仰の師・酒枝義旗先生からお聞きした話。 伝道者・藤井武は心から妻の喬子(のぶこ)を愛していた。その喬子が29歳で5人の子を残し天に召されたとき、藤井武は歎いて「羔(こひつじ)の婚姻」という長詩を書いた。もともと藤井は詩人肌で、岩波文庫からミ…

教会内の七つの役割分担

キリストの教会は、大きかろうと、小さかろうと、「礼拝」「学び」「伝道」「交わり」「奉仕」の五つがあれば、りっぱな教会だ。パウロはさらに教会内の七つの役割分担をしるす(「ローマ人」12・6以下)。 それは「信仰案内係」「ボランティア係」「信仰入…

回転寿司と巡回伝道

ぐるぐる廻りの回転寿司が、めっぽう安くてうまい。わたしの近くの店では、皿に握りが二つ乗ってどれでも100円。つぎつぎ子どもづれや、女性客も入ってくる。目の前を廻る白い台に新しく握った寿司皿が載る。この「安い」「うまい」「新鮮」は食品商売の基本…

タルンデロ

ある日本人の伝道者が韓国で日曜日に聖書の話をした。月曜の朝、韓国の信者に案内された国立博物館は休館。車から出た韓国人数人は激しく議論。韓国語のわからない日本人に理解できたのは「タルンデロ」の一語。 「タルンデロ」は、日本語では「たるんでる」…

香り立つ厚焼き卵

もう何十回も厚焼き卵をつくったが、まだ納得するものが焼けない。 卵は5個。水は30cc、砂糖小さじ4はい、塩ひとつまみ。醤油少々、みりんとダシの粉少し。それらを底に砂糖が溜らないようによくまぜる。 長方形の厚鍋をガスの火にかけ、油を引き炎を調節。…

30年、これが同じ教会か

「10年ひとむかし」というが、ひとつの教会でも30年たつと、これが同じ教会かというほど変わる。牧師も伝道者も代わるし、有力な信徒も様変わりする。新しい会員がどんどんふえたり、逆にみるみる減ったり。 たとえば原始キリスト教会。「使徒言行録」の1章…

進むか退くか。信仰と教会

キリスト信仰は止まっていない。進むか退くかだ。教会も同じ。進んでいるか、退いているか。ぐっぐっぐっと増えるときと、ずっずっずっと減るときがある。 米国フィラデルフィアでのこと。ここはウイリアム・ペン以来のクエーカーの中心地。ぜひクエーカーの…

銀杏(イチョウ)のオス、メス

久しぶりに日比谷公園をさまよった。むかし永田町で働いていたころ、昼休みに霞ヶ関を抜け、この公園をよく仲間と歩いた。そのとき上司の猪熊泰三という、東京大学の名誉教授で林学の専門家が、いろいろ草、木のことを説明された。 なかでも忘れられないのは…

乗松雅休、五十嵐健治、朴泳孝

韓国人の女子学生が二度たずねてきた。聞けば東京の国立大学の大学院に留学中で、日本人の朝鮮伝道を調べ、乗松雅休にたどりつき、立ち寄った西荻窪の待晨堂書店の市川店主からわたしを紹介されたそうだ。 生前無名の伝道者・乗松雅休。1921(大正10)年に59…

靖国と歴史認識

5年前の2001年8月15日、小泉総理が初めて靖国神社に参拝しようとしたとき、わたしは「危険な門(鳥居)をくぐるのか、後でくぐらなければよかったという門を」と書いた(2001・7「しらさぎ通信/いや、喜びです」所収)。また「朝日新聞」の「声欄」にも投書…

つらい長寿 うれしい長寿

わたしの母は103歳11か月。まさに長寿。しかし長寿は求めて得られるものではない。振りかえれば104歳近くまで生かされたということ。 けさも「どうですか」と言うと、「右手が痛い。右の胸が痛い」といって、つらそうに額のしわをよせる。つらいときはつらい…

雷鳴と驟雨のあとの回復

きのう東京に雷鳴がとどろき、激しい驟雨が襲ったあと陽が射し、家内と娘を見舞う。 東京駅の中央線1、2番ホームは地上15㍍の高さ。そこからエスカレーターで一気に地上へ。しかし京葉線まで500㍍はある。なにしろむかしの都庁、今の東京国際フォーラム脇の…

「3分しか」「3分も」

ある方が電車で東京駅に着いたとき、自分の乗る東京発の列車は出発3分前。その列車には落ち合う友人が待っている。「3分しかない」と思ったが、「3分あるぞ」と、電車のホームを駆け下り、列車の階段を駆け上がり、発車寸前の客車に飛び乗った。 この「しか…

召天1週間前の藤井武

藤井武が天に召された1930年7月14日の1週間前、酒枝義旗先生は自宅に藤井先生を招待し4時から夜10時ころまで歓談。ふつか後藤井は病気再発。新聞に死亡記事が出た。酒枝先生は自分の責任のように感じ、泣きながら桜新町の先生の家へ走った。 じつはその年3月…

藤井武のユーモア

きょうは藤井武の命日。藤井は内村鑑三の高弟。その弟子・酒枝義旗先生はわたしの信仰の師。 ふつう藤井武は「まじめが洋服を着て歩いている」と思われ勝ちだ。目黒の今井館での藤井武記念会で、ある方が「純粋の人、藤井武」という話をした。その帰り酒枝先…

人間の熱心、主の熱心

ふたつの熱心がある。人間の熱心と、主の熱心。旧約のエリヤも、新約のペトロも、パウロもすごく熱心だったが、最初は人間の熱心だ。 エリヤは偶像の預言者450人と戦って勝った。しかし王妃に脅されて逃げた。なぜ逃げたか。彼の勝利にだれ一人拍手しなかっ…

メールはエンピツ

きょうも京葉線に乗った。とある駅でどっと男女の高校生が10数人なだれこみ、大きなバッグを全員床においた。そのとたん、全員が携帯電話を取り出し、いっせいに画面に見入る。そのうちポケットにしまう者、メールを見せ合って笑う者。彼らにかぎらず、小中…

愉快な酒枝先生

きのう酒枝先生宅にうかがった。わが家からゆっくり歩いて5分とかからない。先生長男の義輝・清子夫妻と、先生夫人・現子様が住んでいられる。 わたしたちが、この先生宅の二階で聖書講義を聴いたころ、先生の家は畑の中の一軒家で、鷺宮駅前の妙正寺川の橋…

「見方」をかえれば「味方」

久しぶりに庭の草むしりをした。山形・独立学園の枡本華子先生は「草引くや やさしい心になってゐし」と詠まれたが、わたしなどは戦闘心がわいて、敵に立ち向かうように、がむしゃらにむしり取る。 わたしが庭の草むしりをするのは、丹精こめて植えた草木は…

娘の病状報告・話ができた

娘のやよりが、くも膜下出血で入院手術したさい、執刀の医師は2週間たつと、その後の判断ができると話した。 その言葉どおり2週間目の7月7日、娘は4人部屋の一般病室に移された。食事も口から食べられ、右手で字も書け、まだ表情はないものの、少し話せるよ…

白井きく先生と数学と聖書

白井先生はもともと数学の教師。東京女高師を出て、浦和の女子師範や、青山女学院の先生をされた。その教え子に酒枝義旗夫人・現子様や、独立学園の枡本華子先生もいる。だから生徒の扱いはなれたもの。 ギリシア語をわたしに教えるさいも「あら、この前も同…

白井きく先生とギリシア語

白井きく先生がわが家に同居されたのは、1951年から57年までの6年間だ。 じつは国立国会図書館の同僚だった清水望君が、白井先生からギリシア語を習うが、君も来ないかと誘ってくれた。先生との最初の出会い。大野忠さんと三人で教わった。 1949年春のことで…

緊急入院の娘の病状

娘のやよりが、くも膜下出血で6月24日緊急入院した。それが1週間後の30日に目が開いた。10日目の7月4日には右手で字を書いた。7月5日は車椅子で売店までゆけた。主のあわれみと、内外から祈りの集中放射を受け、支えられ、生かされている。感謝。あとは口が…

凌霄花(のうぜんかずら)

凌霄花が咲き始めた。これからおびただしく咲く。ああ夏がきたと思う。 じつに生命力にあふれた木だ。木といっても一本立ちできない。あるハンセン病の国立療養所が新設されたとき、所長が園内の大木の根元にこの花を植えさせた。 凌霄花は茎の10㌢ほどごと…

父・藤尾英二郎の命日

きょうは、父・藤尾英二郎が90歳で召されて満13年の命日。 父は若いころから文書にも「うれしい」を連発した。その喜びは出口を求める。噴き出た先が「礼拝」「伝道」「献金」「聖書」の四つだ。 まず「礼拝」。口ぐせの「出る出る出る」は礼拝皆出席のこと…

軽井沢の別荘での集会

むかし藤尾家にも別荘があった。それも旧軽井沢669番地。愛宕道の森のなか。 父・藤尾英二郎が洗礼を受けた宣教師 S.E.ヘーガー先生が、数十年日本の関西地方で伝道されたあと、定年を迎えられ、1940(昭和15)年、米国へ帰国されることとなった。父に財産一…

(日) 朝鮮のエルサレム

北朝鮮がテポドンⅡ号を打ち上げるそぶり。「弱い犬ほどよくほえる」姿だ。世界に唯一残った独裁共産制遺物の貧国。将官連中が胸いっぱいに、恥ずかしげもなく勲章をぶら下げる国。国中うそで固めて「拉致でない」と韓国の親と面会させた国。その北にかつて強…