2009-05-01から1ヶ月間の記事一覧

「イケメン祈り」「イケメン説教」

「十二使徒群像」を6年越しで彫っているが、なかなか仕上がらない。それは彫っている桜材が堅いので、わずか2センチの唇一本、まぶた一筋彫るのにも1000回は刀を入れるからだ。彫刻は忍耐力の教師だ。百回、二百回、三百回と、くちびる一本に力を込める。(…

70歳台が最高

1995年1月、70歳になったわたしはそれまでいた教会を出た。出る理由は「伝道者の賞味期限が切れました」。抜け出す理由にぬけぬけと言ったものだ。教会を出て教会収入は消えたが主が増やされた。自由になったわたしは「賞味期限はこれから」とばかり、水を得…

百歳も、きのうのごとし

むかし日本陸軍にいて、完全武装で背嚢や小銃など30キロほどを担いで強行軍をした。とちゅう立ったままの小休止があった。そのときわたしが「きのうまた、かくてありけり」と、島崎藤村の「千曲川旅情のうた」の2番の切り出しを口ずさむと、すぐとなりの戦友…

愛という言葉の葬式

三浦綾子さんの小説に「帰りこぬ風」という作品があります。札幌の病院で働く、ひとりの看護師さんの、1年あまりの日記の形をとったお話で、病院の人間模様がつづられます。その中で主人公の女性が、ある休日に円山動物園に遊びにゆき、おサルの親子のようす…