2009-01-01から1年間の記事一覧

これでもか、これでもかの祝福

雪の新潟で、12月20日の午後、新潟聖書研究会の感話会があった。そのとき、ひとりの方が「2009年は、これでもか、これでもかという祝福の年だった」と話された。わたしも同じ思いだ。 1月21日、母が主のもとへ召された。106歳だった。いまの日本では100歳を…

無教会集会の三つの問題

この11月から12月にかけ、三つの無教会集会からお招きを受け講演した。11月1日(日)は大阪聖書研究会。会場は大阪駅前第2ビル。12月6日(日)の浦和キリスト集会はさいたま市民センター。12月20日(日)の、雪の新潟聖書研究会は土地改良会館。いずれも熱心…

南無アッパの信仰告白

2009年12月14日(月)の昼。わが友・勝原文夫君が、キリストを信じる信仰告白をしてクリスチャンになった。うれしいかぎり。彼の住む、さいたま市のマンションの一室で、彼の長男のお嫁さんと、わたしのまえで告白した。(写真・右が勝原文夫、左は藤尾) じつ…

衰えゆくおもしろさ

じつは11月24日(火)から12月1日(火)まで東京衛生病院へ入院した。病名は「うっ血性心不全」。肺に水がたまり、100歩も歩くと息が切れだしたからだ。そのためブログは1回お休み。しかし回復し、12月6日(日)午後、浦和キリスト集会(関根義夫主宰)のク…

本物を見る、トルコ点描

奇岩と地下都市で有名な、トルコ中部のカッパドキアから、西の地中海のイズミール(聖書のスミルナ)までの800キロを「パウロの伝道の跡をたずねる旅」の貸切バスで走った。1996年の春だ。わたしたちはバスだが、使徒パウロはそれを歩かれた。 とちゅうサー…

根を張る

この11月末、20年住みなれた2階から1階へ移る予定。106歳の母・貞子がこの1月に天へ召され、母と1階で同居して面倒をみてくれた妹の桜井初穂と、主人の桜井宣隆さんが、10月に小平市へ移転したからだ。毎日、2階と1階を往復している。1階におりると庭が近い…

「主をほめまつれ」

いやーあ、よくつづいたものだ、60年も。人間わざではない、神わざだ。日本の中心の東京の、そのまた中心の国会議事堂と並び建つ国立国会図書館。働く職員は900余名。その中でひとにぎりの職員が60年も聖書研究会をつづけてきた。 11月7日(土)の午後、わが…

信仰によって義とされる

その方は、ヨコ15センチ、タテ45センチほどの細長い紙に、太い筆で「信仰によって義とされる」と大書し、応接間の低い机におき、「これがよう分からんのじゃ」「神学校を出た先生がたに聞いても、むつかしゅうてわからん」と、にこにこ笑いながらわたしに言…

拝むカトリック信者に学ぶ

むかし、東京・中野の教会堂に住んでいたころ、玄関のベルに出てみると、実直そうな中年男性が立っています。初対面のそのかたは、わたしを見るなり「拝ませていただけませんか」と言われます。聞くと東北の秋田県から出稼ぎで上京したカトリック信者とのこ…

美しいものにかこまれる

人は美しいもの、懐かしいものにかこまれると、心がやすらぐ。居間に好きな絵や、家族の記念写真を飾り、手を伸ばせば愛読の蔵書があり、棚には愛用の食器があればうれしい。釣り好きな方は魚拓をひろげ、お気に入りの掛け軸や壷があり、思い出の旅行の写真…

大仕事をかたづける方法

それほどおおごとでもないのに「大変だ!」と騒ぎまわる人もおれば、大変なことを、まるで何事もなかったかのように片づける人もいる。どこが違うのか。この仕事、あの仕事、つぎの仕事、別の仕事、それを「山のような仕事の固まり」が押し寄せると見るか、…

「腰」と「背中」と「首」の敬意

テレビを見ていて、日本人と、韓国人と、欧米人の違いを強く感じるのは敬意を表す姿勢だ。日本人はアナウンサーでも、古い民家を案内するさい、鴨居は低くないのに、腰をかがめて入り、説明にも腰を折っている。謙遜の姿勢だ。いま韓国の時代劇「イ・サン」…

感謝、薄謝、お交わり

伝道者や牧師が、信者の家庭を訪問したり、泊めていただくさい、手土産など気にすることはない。迎えるがわは、福音を聴こうとして待っていられる。聖書の話、喜びの福音がいちばんの土産だ。ちょうど医者を迎える患者の家族は、医者のいやしを待っているの…

笑顔、真顔、不機嫌顔

作家の三浦綾子さんが、「不機嫌ほど大きな罪はない」と、随筆集「天の梯子」に書いている。たしかに、いつも不機嫌な家族や上司、同僚とすごすほど不愉快なことはない。しかも身内の家族や同僚には不機嫌顔だのに、外の人には笑顔の人もいて面食らう。 それ…

本を読む、減らす、捨てる

とにかく本を読むのは楽しい。84歳になっても、こりゃすごい作家だと驚いたり、この学説は知らなかったと感心したり、そうだったのかと教えられたり、有名人の文章でもこのあたりはくどいな、などと思いながら読み散らしている。寝るまえ、パソコンの日記に…

新人を育てる

1週間まえの8月30日の衆議院選挙で自民党が大敗した。民主党に国民が投票したのは、自民党を退治したかったからだ。「最後のお一人まで、わたしが責任をもちます」と、5000万件の年金不明問題で叫んだ安部総理の責任はどうなったか。その安部、福田と、政権…

笑うイエスさま

人はうれしいとき笑います。だから「悲しみの人」でありつつ「喜びを与える人」であったイエスさまが、笑わなかったとは考えられません。わたしが読んだ聖書の記事で、イエスさまがにっこり笑われたと思う箇所が、少なくとも二つあります。 一つ目は、あの「…

平常どおり、いつものように

「朝6時50分現在、JR各線、新幹線、私鉄各線は平常どおり運転中」。ベッドのなかで聞くNHKのラジオ放送だ。この「平常どおり」というのがいい。水道の蛇口をひねれば、あたりまえのように水が出る。トイレの水が流れる。うれしいこと。 この東京都中野区鷺宮…

教会を大きくするのはやめましょう。

教会を大きくするのはやめましょう。キリストを大きく喜ぶ教会になりましょう。自分たちが大きくなるのでなく、キリストが大きくなる、キリストさまを大きくお見せする教会をめざしましょう。 教会の建物が大きいか、小さいか、会堂に集まる会衆の数が多いか…

原爆と日本とわたし

1945年8月6日、ヒロシマに原爆が落とされた日、わたしは100キロほど離れた香川県の陸軍船舶隊にいた。船舶隊の司令部はヒロシマの宇品にあった。連絡将校が高速艇で状況を把握にかけつけた。わたしの戦友の理科の学生が「たいへんだ。原子爆弾だ」と騒いだ。…

伝道者殺すにゃ刀はいらぬ

「伝道者殺すにゃ刀はいらぬ、集会ぜんぶ出ればいい」と、ある伝道者がいわれた。 むかし琉球のはての石垣島へ行ったとき、そこの教会で日曜礼拝の説教をたのまれた。午後、牧師のくるまで島の案内をしていただいた。島の北側に伝道所があった。くるまの中で…

ボーン・クリスチャン

「ボーン・クリスチャン」(born christian)ということばがある。「生まれながらのクリスチャン」、「生まれつきのキリスト者」の意味で、親代々のクリスチャンの家庭で育った人のことだ。 親ゆずりではなく、自身キリストを求め、異教国・日本の、家族もキ…

その一端にふれると全体がわかる

むかし解剖学者・河西達夫先生のご自宅で、先生ご自身が医学教育用につくられた「人体解剖スライド」(南江堂刊)を見せていただいた。そのとき、人間の顔の皮一枚はぐと、男女の区別がつかなかった。先生にうかがって女性と教えられた。肌の皮一枚が、こん…

お祭りと日本のキリスト教

夏祭りの季節がきました。 日本の祭りは神社を中心とした地域社会の年中行事です。祭りでは神輿をかついで練り歩き、老いも若きもいっしょになって熱狂します。ところが、日本のキリスト教、とくにプロテスタントは、このにぎやかな祭りとは無縁です。なぜで…

はっとして、ほっとした話。ほっとしない話

わたしたちも「はっとして、ほっとする」ことがある。大事なものをなくして「はっと」し、出てきて「ほっと」する。恥ずかしながら、伝道者のはしくれなのに、聖書を置き忘れて帰ったことが5回もある。はっとしたが、5回とも出てきてほっとした。 山形の独立…

「これぞクリスチャン」松田敏子さんの就眠

この8月で満88歳になるはずの松田敏子さんが、6月25日(木)のあさ主に召された。わたしはその2週間ほど前、浜松の三方原聖隷病院のホスピス病棟に彼女を訪ねた。ベッドから身を起こした敏子さんは、顔色もよく、目に光があり、わたしの話や祈りを、ふとんに…

舌に留まれ、のどへ走るな、このうまきもの

「舌に留まれ、のどへ走るな、このうまきもの」。夢の中でブログを考えていて、ひらめいたフレーズだ。たしかに「舌の記憶」は永く留まる。わたしは人間がいやしいので、いま読んだ本の中身は忘れても、むかし食べた味は覚えている。 日本陸軍の船舶隊にいて…

ストケシア咲く

庭のストケシアがあちこちに咲いた。濃い紫色の清楚な花だ。わたしが洗礼を受けた浅田正吉先生のお好きな花だ。だから「浅田正吉著作選集」の扉のカットに入れた。画家の井崎昭治さんが描いてくれ紫の色刷りにした。1964年のこと。 このアメリカ原産のキク科…

日本開港150年、日本宣教150年

この2009年6月は、150年前の1859(安政6)年6月に、日本が200年の鎖国政策を転換し、横浜、長崎、函館を開港した月だ。それは同時にプロテスタントの宣教150周年でもある。 そもそも日本のキリスト教の歴史には三つの山があった。山というのは潮が満ち、キリ…

八道江山(パルドガンサン)

42年前の1967(昭和42)年、わたしは初めて韓国を訪問した。そのときソウルで「八道江山」という映画を観た。8人の娘を持つ父親が、韓国の8つにわかれた「道」すべてに住む娘をたずねる筋書きで、韓国の名所案内にもなると聞いて出かけた。ただしこの八道は…