2012-09-01から1ヶ月間の記事一覧

パウロの誇り「見て、見て、すごいでしょう」

新共同訳の新約聖書には、「誇る」とか「誇り」ということばが71回も出てくる。そのうち、なんと66回がパウロの手紙だ。あとは「ヤコブの手紙」に4回、「ヘブル人」に1回だ。これでパウロ自身、誇り高い人物だったことがわかる。そのパウロがその誇りをひど…

「いや、英語はたいしたものです」

あるとき、酒枝義旗先生のご自宅の書斎に、数人で集まったさい、ある友人が「先生、彼はドイツ語はできませんよ」と言った。すると酒枝先生は、すかさず「いや、英語はたいしたものです」と答えられた。先生は「出来ない弱点」を突くのでなく「持っている長…

新約聖書を70日で翻訳したマルティン・ルター

夏目漱石が、名作「坊ちゃん」を書いたのは彼が40歳の春だ。明治39(1906)年3月半ばから、わずか15日で書き上げた。これを知って、さすが漱石と驚いたが、かのマルティン・ルターが「新約聖書」をドイツ語に翻訳したのが、たった10週間と読んだとき、たまげ…

風、風合い、風格、霊

新涼の九月になった。この2012年、日本の夏は暑かった。東京でも35度を越えた日はざらだ。「机熱し子規漱石も耐へたらむ」(正人)。そのとき、す〜と風が吹き込むと、その細い流れに、なんともいえぬ涼しさをかんじる。「ああ、風だ」。 日本語には、この風…