2006-11-01から1ヶ月間の記事一覧

パレートの法則と12使徒

イタリアの経済学者ヴィルフレド・パレートの「パレートの法則」は、20対80で考えてゆく。20人の人が会議して、その全発言量の80%を、4人の人が話すという。あとの人は、無言か、時どきしゃべる程度。100人のセールスマンのうち上位20人が、80%をかせぐ。…

皇室とキリスト教

日本の敗戦後、皇室にもキリスト教の光が射した一時期がありました。 一九四六(昭和二一)年三月のこと、昭和天皇が米国教育使節団との会見の席上、いきなり皇太子の家庭教師の紹介を申し入れたのです。 そのあと、天皇の使者が米国がわに示した条件は三つ…

翻訳は二つの言葉の橋渡し

あるとき、わたしの勤め先に、英語、フランス語がペラペラという方が採用された。わたしたちは翻訳を見てもらえると喜んだ。それがたちまち失望に変わった。翻訳は両方の言葉ができなくてはだめだ。彼は少年時代から外国で生活し、いくつかの国の大学で学び…

妻の髪を刈る、信仰の髪型

妻の髪を刈った。去年の夏、クリスチャンの美容師・本江慶子さんが、突然の交通事故でなくなられるまで、毎月わが家に出張して、母と妻の髪を刈ってくださっていた。以来わたしが妻の髪を刈る。 わたしはちょうど40年間、自分で頭の髪を切ってきた。妻には手…

いそちゃん

いそちゃんから葉書が来た。「12月1日に訪ねる」とわたしが出した手紙への返事だ。 彼女から葉書や手紙が届くと、まずその字をみつめる。その一字、一字を書いている姿が目に浮かぶ。その一行は、わたしが手紙一枚書くより、もっと時間と力がこもる尊い文字…

欅の大木

わが家から一番近いバス停に大きな欅(けやき)がある。付近一帯うっそうと屋敷林が茂る古い農家の出口の一角だ。バス会社がバスの折り返し用の駐車場に借りた道端に立っている。ゆったりと四方に枝を張り、春は新緑、秋は黄葉で楽しませてくれる。高さはビ…

脳手術の娘がピアノを弾く

6月24日に娘が脳出血で倒れ、緊急入院手術を受けてから、きょうでまる5か月。主のあわれみ、多くの方々の祈り、すぐれた医師、看護師、リハビリ介護士らに支えられて、12月16日退院できるまでに癒された。感謝。 入院以来、家内と週に一度はたずねるが、会う…

専用席、指定席 /優先席、招待席

東京の中央線上り快速電車の先頭車両は、朝の通勤時間帯に「女性専用車」となる。そこは女性専用の指定席で男性は入れない。 バス、電車に乗ると優先席がある。老人や妊婦、病人のためで、白髪の老人のわたしなど大きな顔をして座る。空いていればだれでも座…

直線の国境線のこわさ

アメリカ合衆国の地図を開くと、多くの州の境がまるで定規で線を引いたように、直線で区切られているのに気づく。そこに住んでいたアメリカ原住民の存在を、無視しなければできない勝手な線引きだ。 むかしカナダのバンクーバーへ行ったとき、カナダと米国を…

柿の実

庭の小さな柿が、50個ばかりの実をつけている。毎朝ひとつ熟れたのを食べる。桃栗三年柿八年というが15年前に植えた甘柿だ。 まだ実が青かったころ、長い脚立を立てて30個あまり落としたが、間引き少なかったためか、ことしは実が小さい。それに赤くなった梢…

迷いながら進む

きのう退院したという知らせを受けて友人宅をたずねた。くるまで行けば6キロほどだが、ためしに自転車で行った。これまで通ったことのない裏道をたどり、時間を気にせず、迷いながら行こうと最初から決め、いくつか坂を下り、81歳が坂を駆け上がった。 いつ…

集権の朝鮮、封建制の日本、

NHKが放映した韓国ドラマ「チャングムの誓い」がきのう終わった。チャングムが恋仲のミン・ジョンホと結婚してのハピーエンドだ。 このミン・ジョンホは、年若くして科挙の試験に首席で合格した秀才の両班(ヤンバン・上流階級)との設定。朝鮮王朝は中国…

核兵器を持たない日本の偉さ

うなるほど財産をもつ大富豪が「富はむなしい」と言い、底知れぬ学問を修めた大学者が「学問はむなしい」と言ったとする。その人たちは富よりも学問よりも、もっと別のすぐれたものを指さしている。貧乏人が「金がなんだ」と言い、無学者が「学問がなんだ」…

ロマ書二つ折り透かし読み

新約聖書の「ローマの信徒への手紙」は、日本では「ロマ書」と愛称され、聖書中、白眉の文書。その注解書も数知れない。それに藤尾流の読み方一つを加える。 ロマ書は全部で16章。それを二つに折る。1〜8章が前半。9〜16章が後半だ。前半は福音が大わかりし…

荒川放水路と青山士

東京と千葉をつなぐ総武線の電車が、平井駅を出て荒川の長い鉄橋を渡るとき、いつもわたしは青山士を思い出します。このごろ千葉県に住む娘が入院治療中で、しよちゅうこの鉄橋を渡るのです。彼はこの人工河川・荒川放水路(いまの荒川)を完成させ、東京の…

キリストに曲げる、近づく

いつも不思議に思うのは、さいしょ痛くて曲がらないからだが、1、2分も曲げつづけていると曲がってゆく。それも毎朝だ。自分なりの朝の運動を始めて、もう何年になるか。20年、もっと以上かもしれない。 その一つに、腰を下ろし、両足うらを合わせ、その足を…

民族、宗教へのいじめ

カラスが啼かぬ日があっても、「いじめ」という字が新聞に躍らぬ日はない昨今だ。 このいじめは、個人の間だけでなく民族、宗教へのいじめもある。 ローマ帝国はキリスト教徒を迫害し、そのキリスト教がユダヤ教徒をいじめた。1215年の第Ⅳ回ラテラン教会会議…

小さいものが大きく見える

いっしょにバスを降りたのに、1分もすると、同じ方向にむかう若い男性は、もうずっと先を歩いている。二人づれの女性にもかなり遅れる。やはり歳だ。若いころは、わたしでもどんどん歩けた。週に2、3回は昼休みに皇居の周り5000メートルを走っていた。 しか…

吉祥草(キチジョウソウ)

吉祥草がことしも咲いた。細い茎を地上にはわせて根を張る多年草だから、ことしも咲いて不思議はないが、じつはきょねん初めてこの花に気づいた。植えた花ではない。いつの間にかふえていた。 庭の東南の隅に立つモチの高木の、根方1メートル四方にひろがり…

三浦光世著「青春の傷痕」

著者は、女流作家・三浦綾子のご主人だ。本書で彼は、これまで断片的だった自身の少年期から青年期にかけての記録を一気にしるした。 三浦光世は綾子の生前、見事なほど影が形に添うように綾子の黒子役を演じた。しかし彼自身も一本の太い幹で、綾子と寄り添…

わが母・104歳秋の報告

「秋薔薇(そうび)三つ四つ五つ咲く庭や百四の母の寝息のかなた」 104歳の母は、この夏一時入院してから寝たきりになった。この一年でずいぶん衰えた。ことしの6月までは、ほぼ毎日、墨をすって半紙に父の歌集から選んだ短歌を書き、母にかざすと、居間のソ…

使徒ヤコブの右手が折れた

きのう、使徒ヤコブの右手首が折れた。もちろん彫っている12使徒群像のヤコブの話。太い杖を握らせるつもりで、右手を曲げ広げ削っているうち手首から取れた。 3年半かけて、12使徒のおおまかな姿を彫った。顔もいちおう右に向けたり、上を仰がせたり、ユダ…

ほめてから叱るイエス

子どもや、部下を育てるコツがある。まず「ほめる」、つぎに「叱る」、最後に「励ます」。この順序がいい。「君はよくやった、才能がある」、「しかし、ここはまだ足りないね」、「しっかりやりたまえ」。 よくない順序は、最初に、だめじゃないかと「叱る」…

恩がえし

あるとき東京都内をくるまで走っていて、「ああ、そうだ。この近くにむかしお世話になった方がいられる」と気づいた。ちょっとお寄りしようかと一瞬思ったが走りすぎた。それから間もなくその恩人が急死された。心残りでならない。 ずいぶんたくさんの方々か…

北朝鮮の農民の信仰

黒崎重彦さんはわたしにとり、酒枝義旗先生の集会での、信仰の兄弟子だ。 彼は日本敗戦前、日立の中央研究所から平壌(ピョンヤン)の日立系列会社に出向。学生時代から左翼思想家でソ連軍進駐を歓迎したがたちまち幻滅し帰国を決意。つかまらないように道な…

歯が抜けた

きのう、フランスパンを食べていて、前歯が一本抜けた。抜けたが入れ歯だから、歯医者さんがすぐくっつけてくれた。「歯が抜けたよう」とは、あるべきものがなくなり寂しい表現だ。 「歯」にまつわる言葉は多い。「歯が浮くような」は軽薄で不快な話。「歯に…

ルーテル教会バザー

近くのルーテルむさしの教会が、11月3日バザー&フェスタを開催。たいへんな人出。桜の大木の前庭と駐車場の裏庭や会堂の1−2階いっぱいに、子ども衣類や食品の店開き。 感心したのは、昨年全面改装した礼拝堂で、ミニ音楽会やミニ講演会が開かれたことだ。そ…

ごちゃまぜ教会、すっきり教会

キリストの教会は「ごちゃまぜ教会」がいい。キリストを救い主と信じる一点で結ばれ、それ以外から自由になり、老若男女がほどよく入り交じり、この世の問題では意見が違い、いろんな政党を支持する人がおり、職業も、地位もまちまちなのがいい。 しかし教会…

いじめに強かった日本人

校長に大声で怒鳴られつづけ自殺した教員。いじめを苦に遺書を残し自殺した中学生、小学生。少子化でどの家の子も大事な「ぼっちゃん」「嬢ちゃん」になり、日本人はいじめに敏感になっている。 むかし武士は町人をいじめ、上級武士の子は下級武士の子をいじ…

しんじられな〜い

「しんじられな〜い」と4万人の大群衆の前で叫んだのは、北海道日本ハム球団のトレイ・ヒルマン監督だ。このことばに札幌ドームが大歓声で答えた。なかには「しんじられな〜い」と書いた横断幕を掲げたファンもいた。監督がリーグ優勝した時も叫んだからだ。…