2008-11-01から1ヶ月間の記事一覧

ハンセン病療養所にて

11月18日(火)に日帰りで、東北の国立ハンセン病療養所を訪問した。 かつては600人もいた患者がいまは130人ほど。ハンセン病が治癒して、多くの元患者は退所し、残っていられるのは障害のある方々だ。130人のうち、プロテスタントのキリスト教信交会の会員…

余白の美と、余白恐怖症

中国や日本の山水画には、余白の美がある。 深山幽谷のかたわらに茅屋がえがかれ、禿頭(とくとう)白髯(はくぜん)の老人が書を読み、遠来の友人と談笑する姿。空は高く渓川は深いが、すべてに墨を入れない。また花鳥図もそうだ。竹や蘭の葉が、鋭くひと筆…

叙勲辞退と神の叙勲

ことしも秋の叙勲の季節だ。日本中、名士一家のさんざめく声が聞こえる。 「主義として叙勲辞退す菊日和」(勝原文夫・第3句集「ペン皿」2008年9月)。勝原君は、国立国会図書館調査局創設以来の、「勝ちゃん」とよぶわたしの親友。もうひとり石原義盛君と三…

吉祥草と原始キリスト教会

吉祥草(キチジョウソウ)の花が咲いた。無数に咲いた。庭の東南にモチの木がある。その根方1メートル四方に、いつのまにか吉祥草がふえた。たぶん鳥が種を落としたにちがいない。地下に茎を延ばし、また地上に這わせ、びっしりランのような細長い葉を群生させ…