2006-06-01から1ヶ月間の記事一覧

無知の罪

高校生が家に火をつけて、母・妹三人が焼死する事件があった。息子は成績問題で苦しんでいた。それに医者の父は「気づかなかった」。夫の定年を待って離婚しようと決めている妻がけっこういるという。しかしそれに「気づかない」ダンナ。 前に「気にならない…

41歳からのくるまの運転

40年前の1966年6月、勤務先の皇居一周5000㍍競技に張り切りすぎて、左足腰手術の古傷が痛んだ。歩けるうちに、よしくるまの運転を習おうと決心。年末に運転免許取得。当時わたしより歳が上の方はもちろん、歳下でも免許を取る人は少なかった。マイカーの夜明…

「自分の作品」「主の作品」

兄のカインは「自慢げに」土の実りを献げた。弟アベルは「恥ずかしげに」肥えた初子を献げた。カインは「自分の作品」を差し出した。アベルは「主の作品」を持ってきた。 そのとき二人の態度が違った。カインは自信があった。粒粒辛苦の作品だ。アベルは喜ん…

カイン「と」、アベル「と」

創世記4章に、農夫カインと、羊飼いアベルの話がある。ふたりが神さまに献げものをする。カインは「土の実り」を、アベルは「羊の肥えた初子」を。ところが主はアベル「と」その献げものに目を留め、カイン「と」その献げものに目を留めない。 羊飼いは、草…

フィリピン戦線の中村光喜さん

1941年12月、フィリピンを日本軍が攻撃。一番頑強に抵抗したのはマニラ湾のコレヒドール要塞の米軍だ。降伏したのは翌年5月6日。 中村光喜さんはその攻撃に加わった。ある日決死隊が編成され、隊長が「志願する者は一歩前へ!」。中村さんは前へ出た。「貴様…

「愛」「アガペー」の像

東京駅丸の内側の、天皇が出入りする、駅正面真ん中のまん前に、大きく両手をひろげ、服をはぎとられた半裸の日本兵の像が立つ(いま工事中だが台座の下まで入れる)。 台座の石には、ただ一字日本語で「愛」と彫られ、その下に「η αγαπη」(へ アガペー)と…

うつになる人、ならぬ人 まわりをうつにさせる人

<うつになる人、ならぬ人、まわりをうつにさせる人>。 まわりを「うつ」にさせる人は、自分では気づかぬ、のんき者の、ちゃらんぽらんが多い。 <役に立つ人、立たぬ人、まわりのハラを立たす人>。 自分が役立たずなのはいいが、周囲のおハラ立ちに、これ…

あとふた月で104歳

母はひるま居間のソフアで寝ている。「8月23日の誕生日まであとふた月。もうすぐ104歳」というと、少し考えて「そうやな」。半紙に「恵みといつくしみが いつもわたしを追う」(詩篇23・6)と大きく書き、目の前にかざすと、めがねもかけず、寝ながらじっと…

浅田正吉・召天50周年

6月21日は、伝道者・浅田正吉が天に召されて満50年の日だ。 生前有名な方でも死後50年もたつと、急速に忘れられるもの。いま浅田正吉の名を口にする人もまれだ。じつは、これこそ彼が衷心から願ったことだ。自分の名が消え、主イエスの名があがめられること…

他流試合ができるキリスト教会を

いまドイツでサッカーのワールド・カップが開催中です。日本はすでにオーストラリアに敗れ、クロアチアと引き分けました。ふつか後には強豪ブラジルとの対戦です。もう背水の陣。 スポーツにかぎらず、どの分野でも、この広い世界で他流試合をしてこそ、本人…

登りたい話、降りたい話

「さくらんぼ届きぬ出羽のひかり溜め」(宮脇白夜) もう4半世紀もまえ、ニューヨークの街角で米国のサクランボを買い、その大きさと、甘さ、安さに驚いた。フィラデルフィアまでの列車のなか夢中で食べた。 いまは日本のスーパーでも「アメリカン・チエリー…

ダヴィンチ・コード・撃たれ強い福音

映画「ダヴィンチ・コード」を観た。原作の足元にも及ばぬ作品。ただイメージは補える。 ダン・ブラウンの小説は、読みすすむ数分ごとに1回、ハラハラドキドキする鮮やかな展開。見事な知的謎解き。西欧の奥深い叡智が織りなす文化の重層を縫いたどる筋書き…

電波時計と一点一画

この春、白洋舎創業100周年記念式典で、電波時計をいただいた。 手のひらに入る小型だ。しかもふたを裏返せば机に立てられ、月日、曜日、温度まで出る。電波時計は、その名のとおり、標準時間が衛星から電波ではね返ってとどくから、1秒のちがいもない。 横…

福音を恥としない

使徒パウロが、「わたしは福音を恥としない」とローマの「家の教会」に手紙を書いた当時(ローマ1・16)、キリスト教徒は、ひそかに礼拝に集まり、人肉を食べ、血をすすり、魔術をおこない、陰謀を企て、反税運動をすると誤解され、悪く言われていた。 「恥…

ブログひるね

昼寝しようと横になり、2、3回なまあくびを噛みしめたあと、口いっぱいの大あくびが出ると、わたしは深い眠りに落ちる。 この1月からブログを始めた。それも毎日、500字書く。最初、ブログを入れる窓は朝6時に設定されていた。毎日早起きだ。そのうえ寝るの…

のみを研ぐ、信仰を研ぐ

「十二使徒群像」のため時どきのみを研ぐ。広刃、細刃、丸のみ。それにさまざまな彫刻刀もある。長男が器用な男で、キッチンの流し台にぴったりはまる、差し渡しの砥石台を作ってくれた。それに砥石を乗せて研ぐ。 彫刻の素人のわたしは、朝日カルチュアに1…

おにぎり教会

「ごはん炊けたから、おにぎりつくって」と家内の声。越後の長岡からいただいた、魚沼産の本場「こしひかり」だ。たしかに炊き上がっためしが光っている。 地域社会の男性が何か大仕事で出かけた留守、女性が「にぎりめし」を作る姿をテレビで見るが、作るの…

教会分割・30人教会

日本の公立校では、低学年で1クラスを30人学級に分割する学校がふえている。なぜ30人学級か。授業効果があがり、生徒の出番も多く、交わりも深まる。 教会も同じだ。大教会になるほど小グループ活動が必要になる。日本のキリスト教会は小さな教会が多い。こ…

世界の長寿番付

6月11日の「朝日新聞」朝刊に「危うし?長寿ニッポン」の見出しで、日本は世界6位の長寿国に落ちたと報道。米国CIAの「06年版」資料によるそうだ。 しかしその比較がおかしい。1位・アンドラ公国。2位・マカオ。3位・サンマリノ。4位・シンガポール。5位・香…

靴の半張りはスルメ

ちかごろものを修繕して使うことが少なくなった。靴も、靴下も、時計も、テレビも、自動車さえ修繕しないで買い替える日本になって久しい。 むかしは靴の裏に「半張り」といって、前半分に牛皮を靴の形に合わせて小釘で貼り、かかとも厚底をうちつけた。街の…

そこに居るのに無視

わが家の玄関の壁に父の写真をかけている。楕円形でタテ90㌢、ヨコ64㌢もある。 父の元気なころ「もしお父さんの葬儀となると、教会関係、茶道関係の方々がたくさん見えるから、青山斎場を借りるしかない。そのさい小さな写真ではアカン」と、わたしが言うと…

ぴったりの重さ・男と女

ふだんの風呂洗いは家内がするが、時にはわたしが大洗い。そのさい浴槽はもちろん、床、壁、窓、ドアから、ふた、桶、椅子、鏡、流し孔まで洗う。それでわかるのは、家事にはけっこう男の力仕事があるということだ。 家内はくるまと名のつくものには縁がない…

発想の転換 手で掃く

彫刻で木を削るとどうしても木屑が出る。わが家には工房などないから、大きな桜材を食卓に乗せてトントンやる。その木屑が床に飛び散る。両手でひと所にあつめ、手の平でぐっと押す。手のしめりもあり10回できれいになる。パンパンと手をたたいて終わり。 じ…

伝道者もどき

酒枝義旗先生は感激家で、ある方が会社定年後、神学校で学び牧師になったのを応援しようと、自分の集会を解散して合流。やむなく町田さんやわたしも従った。 しかしその牧師は、人の書いたものを紹介する話が多い。「たとい下手でも自分の胸から出た話をすべ…

あと引く味・ねじり蒟蒻

時どき、ねじり蒟蒻(こんにゃく)をつくる。これがめっぽう味がいいと家族で評判。料亭に出せるデパ地下で売れるとおだてられ、またしてもつくらされる。 こんにゃくは、ふつう長いほうが15㌢。それを3等分。それを横に倒しまた3等分。そのはしから10本に切…

ぶらぶら歩き

きょうも、家内とぶらぶら歩きをした。別に何を買うという目的もなく、商店街やデパートを歩く。こんな店ができた。あの店がなくなったと話しながら。 このぶらぶら歩きの効用もある。家内が「新しい100円ショップよ。入ってみない」。入ると長く探していた…

かるい顔、重いかお

2003年5月から「十二使徒群像」を彫っている。今年は正月からブログを追いかけ、彫刻は遅遅として進まない。これではならじと今日少しノミをとった。 だからテレビで人さまの顔を見ては、頭の中でなぞって彫っている。そして「かるい顔」や「重いかお」に気…

フロイスの「日本覚書」

いまNHKで放映中の大河ドラマ「功名が辻」に出てくる岐阜城、安土城に登った宣教師がいました。その名はルイス・フロイス。織田信長の寵愛をうけたイエズス会のポルトガル人(一五三二−一五九七)です。 彼はイエズス会総長から、日本でのイエズス会の活…

高知の町田さん

高知の町田守正さんに電話した。町田さんは手足が少し不自由だが元気な声。 1947年、中野天神町の下宿で部屋が町田さんの隣りだった。お互いクリスチャンとわかり、わたしの4畳半で早天祈祷会を始め、たくさん賛美歌を教わった。 そのころ町田さんは、鷺宮の…

明日のパンを今日

元日から5月末まで151回、毎日500字、休まずにこのブログを書いた。家内が「あす書くことあるの」と心配する。「マナが降る」と答える。 「主の祈り」に「必要な糧を今日与えて」とある(新共同訳)。ちなみに口語訳は「日ごとの」。新改訳も「日ごとの」。…