2006-01-01から1年間の記事一覧

完走

「この年はブログ書かむと決めしより日ごと天よりマナ降りやまず」 ともかく元日から毎日ブログを書いて、きょう最後のひとつを書く。マナが降ったなと思う。マナは「期待と不安と信頼」の物語りだ。荒野のイスラエルもそうだったに違いない。「きっと書かせ…

亡んだ日本、芽吹いた正義

明治の終わりに夏目漱石は「この日本は亡びるね」と書いた。昭和の初め、藤井武は日本は「亡びよ」と詩に書いた。1937年、矢内原忠雄は「この日本を一度葬ってください」と講演し東京大学を追われた。いずれも理想を失った日本は亡びるとの熱い思いだ。 1945…

季節感と人生の四季

日本は春夏秋冬の季節感のはっきりした国だ。そこから季節のうつろいを詠む世界最短の詩・俳句が生まれた。しかも無数の庶民が俳句に季節を詠む。こんな国は少ない。 12月31日の大みそか。仕事も勘定も掃除も飾りつけも全部終える。元日の午前は日本中静まっ…

2006年暮れ/さまざまなサイン

2006年暮れのさまざまなサイン。 安倍内閣、サインは右。防衛省昇格、教育基本法改訂。憲法改正へ。 安倍政権、サインは下。本間正明・政府税調会長辞任。佐田玄一郎・行政改革相辞任。 日本経済、サインは変わらず。日銀観測・景気は緩やかに回復。大企業高…

数え年

「数え年」といっても、若い方はご存知あるまい。前の戦争で負ける前の日本では、年齢を「数え年」で計算した。生まれたとたん、だれしも1歳。正月がくれば2歳。これが数え年だ。今は「満年齢」で数えるが、むかしは正月元日に全国民1歳年齢がふえる。だから…

手旗信号・サインを読み取る

昼寝の夢で手旗信号を打っていた。帰ってゆく友人に「サ・ヨ・ナ・ラ」と両手を動かしている。陸軍船舶隊で教えられたから、ずいぶん前なのに忘れていない。 このサインは、相手がわかれば便利。紅白の小旗もいらない。左右の人差し指で事足りる。炊事当番の…

クリスマスを祝うのは国賊

きょうはクリスマス。しかしクリスマスを祝うのは国賊といわれた時代があった。 わたしが小学校5年生だった昭和10(1935)年ころ、電柱や民家の壁に、白い紙のまん中へ真っ赤な日の丸を入れ、上に「国賊」と印刷。日の丸の右にはタテに「大正天皇祭に」と書…

キリスト・マス、ミサ、メッセ

「聖菓切る基督(キリスト)のこと何も知らず」(山口波津女) わたしはむかしから、その言葉の意味を考えもせずクリスマスを口にしていました。しかし、ふと「マス」は何かと気になりました。すると「マス」は「聖餐」のことでした。 千葉県に「幕張メッセ…

石原恵ちゃん

人間、生涯忘れられぬ思い出がある。1951(昭和26)年12月23日。55年前のきょう。鷺宮のわが家で酒枝集会の「待晨クリスマス祝会」が、午後3時半から8時半まであった。 会に出ていたわが友・石原義盛君の留守宅で、長女・恵ちゃんが、ガス風呂の熱い湯に落ち…

視野狭窄(きょうさく)

感謝なことに、娘はくも膜下出血の手術から回復し、退院して自宅に帰れた。 しかし左目の視野狭窄が残っている。病院のエレベーターで、まだ左側に降りる方がいるのに、気づかず乗ろうとしたり、左のある角度がよく見えないらしい。 石原都知事が、息子を「…

危ないようで大丈夫

ある年の高槻・桜ヶ丘幼稚園のクリスマス会。3階の講堂に200人ほどのママ・パパがカメラや、ビデオを構えてつめかけている。壇上では4列に並び、年ちゅう組や、年ちょう組の園児が声を張り上げる。歌い終わって1列で降りてくる時、たまたま大きな白板の足が…

皇居一周ランニング

このわたしが、スポーツ新聞に名前が出たことがある。「スポーツニッポン」1966(昭和41)年12月20日号。ちょうど40年前のきょうだ。7段抜き写真入りの記事。 その書き出しには「(国会)図書館とマラソンーなんの結びつきもないが、同クラブのリーダーの藤…

あんたちょっとバカね

「あんたちょっとバカね/あんたよりましよ/ジャンケンポン」。子どものジャンケンのはやしことばだ。たがいに相手をおとしめるが、おだやかに「ちょっと」「まし」と、比較級でやりとりする。最上級の強い非難だとケンカだ。 北京で、日米中韓露が北朝鮮に核…

竹の杖、主の杖

竹の杖をいただいた。もう15年も前だ。ご自宅の庭に生えるしゅろ竹で作られたもので、曲げた根が杖の握りになる。軽い。それに強くてしなやか。杖を頼りに歩くほどではないが「転ばぬ先の杖」と、時どきステッキ代わりに手にする。 杖の効用はある。電車で立…

娘の退院「祈りの一斉射撃」

娘の宮本やよりが16日に退院した。14日に見舞うつもりが、いま流行のノロウイルスの院内感染があり面会禁止となった。しかし予定通り無事退院できた。 「祈りの一斉射撃」を世界中から浴び、主のあわれみを受け、死んでおかしくない症状から、ちょうど半年で…

ローマの信徒への手紙16章

パウロは、まだ見ぬローマの信徒へ長い手紙を書いた。日本語聖書で25ページ。全部読むのに75分はかかる。 それを女性信者フェべがコリントから運んだ。紀元57年のころだ。ローマの信徒はその手紙を読んだのではない。まず聞いたのだ。最初はフェべがゆっくり…

もっとイエスを

もっとイエスに近づこう。もっとイエスを見つめよう。もっとイエスに驚こう。 イエスは、その出生からしてミステリアス。たぶん17歳ほどの村娘マリアを母として生まれ、父ヨセフの大工仕事のそばで育った。聖霊によって身ごもったことは、夫ヨセフには告げた…

赤穂浪士とクリスマス

きょうは、元禄15年(1702)12月14日、播州赤穂の浪士47人が、雪を蹴立てて江戸は本所の吉良邸に討ち入った日だ。もう304年も前の事件。その発端から結末まで、話の筋はほぼ知っている。それなのに、またしても見たい聞きたい物語り。だから毎年また上映され…

何事もなかったような師走

あさ目がさめる。立ち上がれる。電気がつく。新聞が来ている。空が青い。トイレの水が流れる。ゴミ収集車が来る。妻と賛美歌が歌える。朝めしがうまい。 聖書が読める。パソコンが開ける。メールが打てる。バス停まで歩ける。電車があたりまえのように走って…

教会でもクリスマスやるの

「おや、教会でもクリスマスやるの」と冗談が飛ぶほど、今の日本では教会より、教会以外のほうがクリスマスに熱心だ。街にはクリスマスの曲が流れ、メリー・クリスマスの色文字があふれる。すべて金儲けのため、自分たちが楽しむためだ。 それを象徴するよう…

見つめる人・ヨセフ

マリアの夫・ヨセフは見つめる人であった。 まず夢の中で天使を見つめた。それも4回。最初は「聖霊で身ごもったマリアを受け入れよ」。二回目は「エジプトへ逃げろ」、三回目は「イスラエルへ帰れ」、最後は「ガリラヤへ隠れよ」。 「天使のような」という表…

クリスマスの星

ある夏の聖書講習会。場所は御殿場のYMCA東山荘。キャンプファイヤーが始まるので芝生の広場へ降りて行った。隣りに立つのは星の好きな横山哲夫さん。満天の星空を仰ぎ、あれがカシオペア、これが北極星と話しているとき、横山さんの表情が変わった。「おや…

裏通横丁路地奥教会降誕祭

自転車で東京の裏道を走ってゆくと、こんなところに教会がと驚くことがよくある。バス通りの電柱には「OO教会この横入る」と案内がある。米国の田舎町で、広い大通りの四つ角に二つの教会、すぐそばに別の教会がありびっくりした。 しかし、聖書のクリスマ…

「開戦」と「敗戦」、「残念」と「万歳」

1941年12月8日の朝、65年前のけさ、不意打ちのように戦争が始まった。「大本営発表。帝国陸海軍は今八日未明西太平洋において米英軍と戦闘状態に入れり」のラジオ放送で、日本人は突然の「開戦」を知った。伝道者・政池仁先生はそのラジオを聴いて「残念!」…

本屋から消える本、残る本

大きな本屋へ入ると、凝った装丁と題名の新刊書が、目立つ場所に肩を並べて平積みされている。しかしひと月もすると、平積みのまま残るのは少なく、多くは取次ぎに返本され、廃棄されるか、新本の安売りに廻る。 返本を免れた本も、ひと目に立つ平積みから、…

インプット、アウトプット

インプット(入力)、アウトプット(出力)というパソコン用語はもう日本語になじんだ。何事によらず大事なのは、この「入」と「出」だ。パソコンに入力するのには「努力」がいる。とにかくキーを叩かねばならない。それが「出力」して結果を生む。 日本語で…

栗の木の椅子、内側の腐れ

栗の木で子どもの椅子を作っている。高さ60㎝、直径40㎝、胴回り125㎝の太い幹だ。年輪はざっと60は越す。山形の独立学園の牧舎の裏にあったものをいただいた。 栗の木は堅い。むかしは鉄道線路の枕木にしたほど。いちおう太いマジックペンで線描きをして、…

肥満体、肥満教会

きょう、中央線の三人掛けの優先席に座っていると、空いていた真ん中へ、無理でないかと思うのに、肥満体の五十がらみのコートで着ぶくれた男性が座ってきた。わたしは横に押し付けられ、息をするのも苦しかった。 以前米国で肥満の男女が多いので驚いたが、…

キリストに捕えられた人々

きのう、国立ハンセン病療養所・東北新生園の「いそちゃん」をたずねたあと、別棟の夫婦の部屋に入った。ご主人は右手の指二本がなく、いつもゴムを巻いていられる。「どうして」と聞くと、「感謝なことに三本残っていますから、ゴムにボールペンを差しこむ…

信仰の先生、いそちゃん

12月1日、日帰りでいそちゃんをたずねた。21万坪という東北新生園の広大な敷地に清潔な寮舎がならぶ。「いそちゃん!」と呼んで、寮の廊下から明るい部屋に入る。左がトイレ、右が洗面所。もうひとつドアを越すと、ご主人と二人、きちんと整理された和室で迎…