2006-10-01から1ヶ月間の記事一覧

天井から男が降った

「ドーン!!」とすごい音がして、天井から男が降った。天井板を踏み外し、冷暖房器にぶち当たりながら、壁ぎわにドスンと落ちた。天井裏の電気用具を点検中の出来事。太った若い社員で幸い怪我はなかった。結局、天井板はぜんぶ張替え、冷暖房器も新品と替…

狭いガリラヤから力あふれ

何度か聖地巡礼団に加わりイスラエルを旅した。わたしはある時、東京とエルサレムを重ね、同じ縮尺の比較地図をつくり一行に配った。そしてなんと日本は雄大な国かと驚いた。北海道の稚内はトルコを突き抜けて黒海に入り、エルサレム=カイロは東京=大阪だ…

金のかからない喜び

金のかからない喜びがいっぱいある。前に「15の驚き」を書いたが、すべて金がかからない喜びだ。 なんという恵み/なんという祝福/なんという恩寵/なんという自由/なんという平安。なんという静けさ/なんという明るさ/なんという豊かさ/なんという楽しさ/なん…

北海道が、笑った、泣いた

プロ野球の「北海道日本ハム」球団が日本一になった。北海道中が燃えた。泣いた。笑った。バブル経済がはじけ拓銀は破産。鈴木ムネオ問題、警察の機密費不正使用など、北海道は沈みがちだった。日本ハムの優勝は、その暗いムードを吹き飛ばした。 北海道は日…

高校世界史の授業と歴史認識

10月26日現在、全国35都道県の291の高校で、必修の「世界史」などの授業が行われず、このままでは三年生が卒業できないと、校長や生徒があわてている。大学受験に力をいれるあまり、ウソの報告をしていた校長の責任は重い。なぜ世界史担当教師が抗議しなかっ…

相手のためにやめる自由

伝道集会を頼まれて地方に出かけた。その教会はルーテル派。夜の集まりのまえに信者の家で食事が出たが、驚いたことに酒をすすめられた。 ルーテル派の親分のマルチン・ルター先生が「ルーテルさまでもあるまいに、そんなにビールが飲めるかよ」と歌われるほ…

酒とタバコ、中心と周辺

はじめて日本へキリストの/福音伝える情熱に/燃え立つ米国宣教師/万里の波濤かきわけて/日本へおいでになりました/1859年(安政6)のことでした。 それから年を数えて150/キリスト教はこの国の/すみずみにまで語られて/多くの人材生みました。 しかしキリス…

秋明菊と娘のリハビリ

秋明菊が細かい秋雨にぬれて咲いた。白く小さな5弁の花だ。細長い茎が花を支え、さらに3枚一組の葉が茎に彩りを添える。 よく見ると花茎がPの字を画いて、くるりと曲がってまた上に向かって伸びている。強い風に吹かれ、曲げられて、また頭をもたげたようだ…

塚本虎二先生 と清水望さん

10月22日(日)、「塚本虎二先生記念会」があり、友人の清水望さんが講演するので、信濃町の野口英世記念会館へ出かけた。演題は「福音と平和・ドイツに学ぶ」。 「塚本虎二」といっても、今はキリスト教会でさえ知る者も少ないが、内村鑑三の高弟で、伝道者…

サザエさんと酒枝義旗先生

マンガ「サザエさん」は、1974年に朝日新聞の連載が終わってからすでに32年、作者の長谷川町子さんが1992年になくなって14年もたつのに、いっこう人気が衰えない。 テレビの「アニメ・サザエさん」は毎週視聴率上位に入り、毎土曜日、朝日新聞は「サザエさん…

キム・ジョンイルさん

いま北朝鮮の金正日さんは、核実験をしたため世界で注目ナンバーワンの人物だ。 この9月「マンガ 金正日の正体」という本を読んだ(小学館文庫)。韓国のマンガ家・李友情(元韓国漫画家協会副会長)の作で、翻訳は李英和(関西大学教授)。韓国では発行禁止…

ドイツからのたより

数日まえ、ドイツから絵葉書がとどいた。しかし署名がない。だれかしら。 それを解くキーワードは三つ。「定年退職」「キリストをすごく喜んでいる」「藤尾のブログを読んでいる」。これで範囲は絞られるのに心あたりが浮かばない。 「ドイツの教会を巡り、…

コンヤ(イコニオン)の回想

10月17日、トルコのコンヤで日本人観光客を乗せたバスが横転し死傷者が出た。ちょうど10年前の1996年春、わたしたちはカッパドキアからコンヤをへて、イズミール(スミルナ)まで1500キロをバスで移動した。 その旅の車中「シルバー大学」を開講。尾上守夫さ…

人いろいろ、立場いろいろ

あるとき青森県の古い歴史をもつ教会に案内されました。 驚いたことは、正面の講壇の脇に「原子力施設受け入れ反対」と、大きな紙が下がっていたことです。案内されたかたは、自分の身内が県庁でこの仕事をしており、このごろ教会に足が遠のいているという話…

「する」と「なる」

「しばらくお会いしないうち、おたくのお嬢様、きれいになられましたね」。 これはきれいに「なった」ので、化粧できれいに「した」のではない。「なる」と「する」はちがう。受身と能動のちがいだ。 金を「もうける」と「もうかる」。財産を「ふやす」と「…

ふえて感謝、減って感謝

聞くところによると日本のクリスチャンの数は減っているという。あの元気がよかった韓国の教会も頭打ちで減少気味と聞いた。これはいいことだ。経済でも、教会でも、いつも右肩あがりで成長をつづけられるわけがない。 日本の教会は、いつでも成長し、大きく…

中古自転車と核兵器

「朝日新聞」10月14日朝刊の第1ページのまん中に、日本から退去命令をうけ、舞鶴港から北朝鮮へ帰る船の写真が大きく載った。 その船には甲板からうず高く、倒れるばかりに満載した中古自転車の山。日本では中古自転車はクズだ。それを満載して帰る北朝鮮は…

気になる能力、ならぬ能力

二日かけて、風呂場とトイレのタイルを磨いた。タイル磨きは力仕事だ。男の仕事だ。 10年ほど前、わたしが「気にならぬ能力」に気づいたのもこの風呂場だ。わたしはがんこな汚れが気になった。家内は気にしない。気にならないのも、たいした能力だと。 「気…

福音の熱き血潮にふれもみで

「やわはだの 熱き血潮にふれもみで 寂しからずや 道を説く君」。女流歌人・与謝野晶子の短歌だ。これをだれが読み替えたか、「福音の 熱き血潮にふれもみで 寂しからずや 道を説く君」とした。 たしかに福音がわかったとき、人はかわる。伝道者・藤井武は「…

リハビリ娘が95分歩いた

娘がくも膜下出血で手術をうけてから、ちょうど110日目の10月11日、船橋市の病院をたずねた。 親と子は、急なことが起これば、たとい地球の反対側からでもかけつける。まして電車で1時間の病院だ。手術以来、家内と毎週見舞う。ニューヨークの孫は、母親倒れ…

賛育会病院にて

きのう「神さまの指紋」を書いた。きょうたずねた東京・錦糸町に近い賛育会病院は、見えざる神さまの指紋がしっかりつけられた病院だ。 1918(大正7)年、東京大学キリスト教青年会の学生が「妊婦乳児相談所」を始めた。都市貧困地区でのセツルメント活動だ…

神さまの指紋、見〜つけた

沢口靖子主演の「新科捜研の女」というテレビ番組が好きだった。科学捜査もずいぶん進んだもの。証拠の決め手のひとつが「指紋」だから、犯人はふき取るが、さらに発見する技術があらわれる。この「指紋」は目には見えない。それを発見するのはすごいこと。 …

銃撃されたアーミッシュ

10月2日、米国ペンシルバニア州のアーミッシュの学校に、銃を持った男が侵入し、女生徒ら4人を殺害し自分も自殺した。 そのさい並ばせられた10人の女生徒のうち、一番年長の13歳の少女が「わたしから撃って」と年下をかばい、その妹も「次ぎはわたしを」と言…

譲り葉とキリスト教会

/枯れ葉黄落の秋だ。 二階のわたしの部屋のまん前に、譲り葉が立つ。南の道をはさんだ向かいの家の、ベランダと向き合うので目隠しに植えた木だ。 それがぐんぐん伸びて、いま庭一番の高木となった。きょう入っている植木屋泣かせだ。6メートルは越える梢の…

イエスが見つめたもの

きょうはイエスのことを書きたい。イエスは「不思議なお方」。神の子でありながら、小さいことに強い関心を寄せられる。イエスは「うれしいお方」。吹けば飛ぶようなわたしを見捨てず、じっと目を凝らされる。イエスは「すごいお方」。つねに一番大事なもの…

本といっしょ

出かけるとき、1冊本を持つのが永年のならわし。ポケットかカバンに1冊忍ばせていないと、武士が刀を忘れ腰がさびしいように、忘れ物をした思いになる。 むかしは文庫本や、新書本でよかったが、年をとって目が弱くなり、活字の大きいのを選んでいる。しかし…

水引草と金木犀 (モクセイ)

水引草の赤が鮮やかになった。木犀が香りつづける。きょう、水引草と木犀を韓国青磁の壺に活けた。水引草の細い線が空間を大きく乱れ裂く。 木犀の花は近づくとその香りで気づく。花は葉かげに奥ゆかしく咲く。よく見ると枝から8本の茎を出し、それぞれにダ…

キラキラとふつう

10月3日、思いがけなく平福美恵子様が、長男の運転でわが家に来られた。お願いしていた本を、わざわざ届けてくださり、104歳の母も車椅子で久しぶりにお会いした。 美恵子様は、わたしが自宅で集会を始めてから、ずっと出席され、ご主人の一郎先生も、最晩年…

「アーメン」「ごもっとも」

今はむかしの明治時代、萩の長州藩士の家に生まれたお方が、ヤソ(イエス)を信じてヤソ教徒になった。しかし、どうしても声を出して「アーメン」と言えない。バターくさい「アーメン」は士族になじまない。教会では、賛美歌の最後や祈りのあとに、会衆が声…

日比谷公園の神戸俊平さん

10月1日(日)午後、日比谷公園の「グローバルフェスタ 2006」へ出かけた。こんなにたくさんの日本の若者が、世界のへき地で、こんなに汗を流して現地の人々に溶けこみ、喜んで働いているかといつも感動する。公園の芝生のまわりに、今年も小さなテントが200…