2007-01-01から1年間の記事一覧

満を持して新春を待つ

きょうは2007年の大みそか。 庭に立つと、白梅、紅梅はすでに細枝に蕾を並べた。蝋梅もふっくらと黄色い蕾をつけた。牡丹だって枝さきに新芽をのぞかせる。 二本の花水木は小枝いちめんに円い蕾をふくらませ、奥丁子桜も春の花が楽しみなほど小枝に丁字形の…

新垣勉さんと、武祐一郎さん

12月21日(金)の夜、フジテレビが「全盲のテノール歌手・新垣勉の軌跡」というドラマを放送した。 新垣勉は沖縄出身らしく、またラテン系米人を父にもつ血筋からも、明るい性格だ。コーヒーを飲むとき「砂糖は」ときくと、「主がお入り用です」と「主が」=…

国立国会図書館・聖研クリスマス会

12月14日(金)のひるやすみ、国立国会図書館聖書研究会のクリスマス会に招かれた。 ふりかえれば、この聖研が発足したのは1948年5月26日。いまから59年前だ。場所はいまの迎賓館、当時赤坂離宮とよばれた宮殿の地下室。その5月はじめ、新国立国会図書館がそ…

街の小さな豆腐屋、電器屋、ハム屋さん

白鷺郵便局となりの角の豆腐屋さん。看板もない小さな店。主人と目があうと「木綿一丁」と言ってしまう。「ヘエイ」と、ダンナは深い水槽の底から豆腐をすくう。その製品に誇りを持っている。大豆やにがりにこだわり、スーパーの豆腐と味が違うと胸を張る。…

「点と線」 列車運行の几帳面さとおおらかさ

11月最後の土日に、松本清張の「点と線」をテレビで観た。こんなミステリが成り立つのは、鉄道網が発達し、しかも分秒刻みの正確さで列車が運行される日本ならではの話だ。 心中とかたづけられた事件を、他殺ではないかと、主役のビート・たけしが解いてゆく…

韓国語に訳された「乗松雅休 覚書」

神さまは不思議なおかた。自分をかくそうとした人物を押し出される。高い山が遠のくほどそびえるように、主が選ばれた人物は時代をへるほどそそり立つ。大野昭牧師の「乗松雅休・覚書」(キリスト新聞社)が、韓国語に翻訳出版されたと聞いてそう思った。 乗…

阿佐谷図書館・文士村

わが家から自転車で3分たらずに、杉並区立・阿佐谷図書館がある。小回りの利くいい図書館だ。きょねん毎日ブログ・エッセイを書いたとき、どれだけ助けられたか知れない。あやふやなことがあれば、自転車で走ってたしかめ、お世話になった。しかも無料だし、…

世界が尊敬する100人の日本人

「NewsWeek」日本版・二〇〇七年一〇月一七日号が、「世界が尊敬する日本人一〇〇人」の特集を組んだ。そこでは海外で活躍するイチローや松井というメジャーな人物でなく、いわば日本の横丁の老舗の職人のように、ひとつのことに打ち込んで、長年努力してい…

うそつき列島・日本衰亡のしるし

ことしになってからでも、いやというほど「うそ話」を聞かされた。 姉歯建築士の「耐震強度偽装問題」での国会証人喚問。アパグループのホテル、マンションも同罪と判明。それに厚生労働省所管の「国民年金不明記録が5000万件」にはあきれる。それに保険会社…

枯山水の庭

この春、庭を改造した。82歳にもなり、手のかからない老人むきの庭にすることを考え、名古屋の造園家・池田睦さんに設計を頼んだ。池田家とは1978年から16年間、毎月家庭集会にうかがい泊めていただいた仲。 そのさいの条件は三つ。高木、灯籠、大きな石、蹲…

「朝鮮通信使」から「拉致問題」を見る

この2007年は、1607年に再開した「朝鮮通信使」招聘(しょうへい)400年記念の年だ。足利時代に始まった「通信使」は、秀吉の朝鮮侵略により中断。家康が国交回復に乗り出して復活。それは江戸期200年にわたる、官民あげての丁重、誠信、友好的な国際交流だ…

イエスの愛がまずあって

天の泉にまんまんと/イエスの愛がまずあって/そこからわきでて滝となり/四方にあふれて流れゆき/地のはてまでもうるおした/飲めばおいしい天の水/どこから来たかもかんがえず/毎日のどをうるおした/ある日この水なぜうまい/ため池の水はまずいのに/ふと思っ…

「生涯現役」と「引退の志」

「生涯現役」と張り切る方がいる。マスコミも、もてはやすが、多くの場合、後進の道をふさいでいることが多い。むかし大新聞の「生涯現役」特集シリーズに載り、活躍した方が天に召され、葬儀の司式を頼まれたが、ワンマン経営の事業後継者が大変。 東洋には…

「美しい国・総理」の「醜い最期」

ちょうど1年まえの2006年9月26日、「美しい国」を掲げて発足した安倍晋三内閣は、あわれ同じ9月26日に福田康夫政権と交代。前代未聞の「醜い最期」。何が醜いか。 7月29日の参院選で歴史的大敗をしながら、退陣を決意できなかった精神の弱さだ。自民党惨敗直…

墓はからだった

きのう家内と多摩墓地の藤尾家の墓参りをした。千利休の小さい墓にあこがれた父は、タテ20センチほどの墓を造った。真ん中に十字架を入れ、右に父の筆で「主キリストに愛される」と彫り、左に私が「藤尾家之墓」と書いた。 人間だけが「墓」を造る。古来どの…

空飛ぶ信頼のかたまり

82歳にもなって、また飛行機でアメリカまで行ってきた。 初めて空路外国へ行ったのは、ちょうど40年前の1967年の訪韓。以来、6度の聖地巡礼をふくめ何十回乗ったことか。そして一度もこわいと思ったことはない。むしろ、わくわくする喜び。離着陸時や、乱気…

フィラデルフィア韓国人キリスト教会

さる8月末、米国フィラデルフィアへ行った。このまちの大きな日本人教会で牧会される柴川秀夫・悦子夫妻をたずねるためだ。そこで説教もたのまれた。驚いたのは、この大都市で、日本人教会は一つなのに、韓国人教会が200もあると聞いたことだ。在米韓国人に…

フィラデルフィア日本人キリスト教会

8月26日(日)は、深い森にかこまれた米国フィラデルフィア日本人キリスト教会で礼拝説教。題は「ベールを脱いだ罪の女ー礼拝の原型」(ルカ福音書7章)。最近気づいたのは、長い髪でイエスの足をぬぐうためには、かぶったベールを脱ぐ必要があるはずだとい…

わが母105歳・貞子大元帥

母・貞子がこの8月23日(木)、満105歳を迎えた。明治35年(1902)生まれ。まさに主のあわれみ。 わが家では70歳になれば、むかしの日本軍隊の少将、80歳で中将、90歳で大将、100歳で元帥と、わたしが勝手に名づけている。母は5年前の100歳から元帥。わたし…

こどもの声 あかちゃんの笑顔

塀のむこうを こどもがとおる みんなみんな さけんでいる かんだかい声だ 力いっぱい 自分をうったえている あすを思いわずらわない声に はりがある 天までとどくだろう あかちゃんが 首をあげてはっている みんなみんな なやみのない顔だ 信じきった顔で 力…

陸軍船舶特攻隊「マル令」

さきの大戦での日本の自爆特攻隊は、航空機や小型潜水艇「回天」が有名だが、わたしのいた陸軍船舶隊にも水上特攻隊「マル令」があった。 「マル令」とは、「司令部伝令艇」という高速ボートを改造し伝令の「令」をマルで囲んだ略称だ。一人乗りの小さな舟艇…

日本海の落日

山形・独立学園水夏の学校>が終わった7月29日(日)午後、「日本海の落日が見たい」というわたしの願いを聞いて、助川暢・前校長夫妻が、枡本華子先生とわたしを車に乗せて、新潟県から山形県にかけての日本海岸を走ってくださった。 「笹川流れ」とよばれる…

内村鑑三は日本一の美男子

七月一〇日、東京・駒場の日本近代文学館で「内村鑑三は日本一の美男子」という長与善郎の日記を見つけました。もと国立国会図書館調査局の同室の同僚で、のち広島大学教授になった、長与の最晩年の弟子・喜多村和之君に教えられ、びっくりして探しにでかけ…

いったい、神さまはわたしをどうされる

きのう、わが家に来られるはずの女性から葉書が来た。「右耳が突発性難聴と診断され入院するので行けない」。彼女は透析も受けており、4年前、左耳が難聴になった。なぜ神さまは、こんなむごいことをと思う。 忘れもしない1948年正月、わたしは酒枝義旗先生…

岩波文庫80年、3億5000万冊

この七月一〇日で、「岩波文庫」が創刊八〇年を迎え、古今の名著五四三三点・三億五〇〇〇万冊を刊行したそうです。岩波書店が日本で、古典良書廉価販売システム構築に果たした功績は特筆に値します。 岩波文庫は、一〇〇ページで定価二〇銭、背文字の下に★…

髪を洗う、髪を梳(す)く

京都・同志社の斉藤亥三雄先生のお宅に泊めていただいたとき、先生が「藤尾さん、家内を叱ってくださいよ」「何を」。「家内はボクに毎日顔を洗えというんです」。奥さまは「主人の母は年に1度しか髪を洗わなかったんですって」。 しかし、むかし日本の女性…

散り敷く凌霄花(のうぜんか)

ことしも、6月下旬から門の凌霄花が咲き始めた。 凌霄花は、ほかの花とは咲き方、散り方が断然ちがう。まずその大きさの花にしては、花数の多さに驚く。幹から伸びた茎はざっと50本。一本の茎に30あまり花芽がつくから、1500は咲くはず。はでな色でわっと群…

舟はゆったり漕ぐがいい

わたしは舟を漕ぐのが好きだ。東京の隅田川の一番下流に「勝鬨橋」がある。むかし、その橋のたもとに貸し舟屋があり、ときどき舟を借りて大川を漕いだ。江戸の掘割りをさかのぼって、下から数奇屋橋を見上げ、浜離宮の脇を下った。 この和船を漕ぐのは、一見…

聖書を重く感じるとき

礼拝にゆく。そのとき、ぶあつく重い旧新約聖書が、うれしく、軽く感じられるなら、その人の信仰はずっしり重い。逆に、ぶあつい聖書が重く感じられるとき、その人の信仰は、ふわっと軽くなっていると父から聞いた。手にする聖書に感じる軽さ、重さで、その…

そして1年、娘が電車で来た

娘の宮本やよりが、くもまく下出血で倒れ大手術を受けたのは昨年6月24日。主のあわれみと、病院の適切な処置やリハビリ訓練で、奇跡のように立ち直った。 そして1年。6月8日(木)の午後、家内が習志野の娘の自宅へ迎えにゆき、JR総武線で、津田沼から阿佐谷…