聖なるものへの畏敬

デンマークやフランスやドイツの新聞に、イスラム教最大の預言者ムハンマドの風刺漫画が掲載され、イスラム諸国から猛反発が起きている。新聞社は表現の自由を主張するが、これはいけない。西欧で「聖なるものへの畏敬」のこころが低下した結果ではないか。
これと反対のことを考えればすぐわかる。イスラム諸国でイエスの風刺漫画が、面白おかしく新聞に書かれたら、世界のキリスト教徒は不愉快だろう。
日本のテレビでも、宗教をまともに取り上げるのでなく、深い理解を欠いた「お笑い」の対象にすることがある。聖なるものの領域に土足で踏み込んではならない。
こと信仰にかかわることは、心の内面の琴線にふれるから、ときにこみあげる喜びとなり、時に深い悲しみとなり、ある時は憤激となる。そしていのちをかけても、聖なるものを守ろうとして戦争さえも起きる。
聖なるものは、キリスト教であれ、仏教であれ、イスラムであれ、たがいに尊敬したい。
「全地は主を畏れ」(詩篇33・8)。「われらの神、主は聖なる方」(詩篇99・9)