50年に一回

東横イン」というホテル・チエーンが、建築確認後60ほのどのホテルで、身障者用駐車場や点字ブロックを外し、その客室まで改造したと非難されている。社長は「年に一人か二人の利用者なので」と弁明、謝罪した。
むかし金森徳次郎という日本国憲法制定担当大臣がいた。のち初代国立国会図書館長になった。
彼は「50年に一回利用されるかどうかの図書雑誌でも、日本語で書かれたものは全部集める」という方針を立てた。「カストリ雑誌」といわれ、エログロといわれようと、これは良いこれは悪いと価値判断せず、その評価は後代にゆだねるという立場をとった。だから「少年サンデー」など漫画雑誌も全部集めた。今になればどれも時代を映す鏡だ。
「年に一人か二人」の身障者を無視するか、「50年に一回」でも薄いパンフ一つ粗末にしないか。人間の見識の違い。
エスは喜び捧げる200円の献金を、おごり捧げる多額の献金より大きいと見た。
「ふたり、また三人が、わたしの名に集まっているまん中にわたしもいる」(マタイ18・20)