お犬さま

JR中野駅北口のサンプラザから環七にかけて、むかし「囲(かこい)町」と呼ばれた。将軍・綱吉が1687年「生類憐み令」を出し、このあたり30万坪に10万匹の野犬の「お犬さま」を囲って飼った。人間より犬を大事にしたおかしな時代の名残だ。
NHKで「犬のペットショップ」を紹介していた。犬好きが集まり仲良くお茶を飲むのはいい。しかし犬のための食べ物やグッズが何百種類も陳列され、犬も高級グルメ時代とか。まさに「お犬さま」のお通り。人間より犬が大事のおかしな話。
大阪の公園でホームレスが青いテントを強制撤去され、衆院予算委では、民主党の前原代表が「東京23区で教育補助受給家庭が24%」と、小泉総理に格差社会の質問をしている時に、こんな「お犬さま」の光景を長々と放送するのはいかがか。
エスは、自分の富を自分のために自由に使って何が悪いという人に、「金持ちとラザロ」のたとえ話でいさめる。事実を伝える時に批判の目を持った視点もほしい。
「わざわいだ、偽善な学者・ファリサイ派天国の門を閉ざし自分も入らず人も入れない」(マタイ23・12)