20歳、40歳、60歳、80歳

いま入学受験のまっただなか。中学、高校三年生は全員が希望校に合格するわけではない。しかしものごと長い目で眺めることも必要だ。日本は人生80年の時代。0歳から数えて、40歳で折り返し。さらに20歳、60歳と二つの結び目がある。
有名校に入れたと、20歳の駆け出し時にトップだと喜ぶのはいささか早い。40歳の折り返し点で、この人どこまで伸びるかがよそ目にもほぼ見える。60歳の定年で人物の真価がわかる。80歳で人生の意義が定まる。よく見ると、20歳でトップの者が最後までトップは数少ない。
しかしほんとうに出来る人物は、後から追い抜き、数多く頭をもたげた。花は早春に咲くとは限らない。遅れて夏や秋に大輪の花を開くものさえある。
酒枝義旗先生は、むかしの第一高等学校(現・東京大学教養学部)に合格した青年二人に「秀才は脳のしわが二、三本多いだけ。いまこそ謙遜になって聖書を学べ」と諭し、彼らは先生自宅の聖書講義に連なりクリスチャンとなった。
「主を畏れることは諭しと智恵。名誉に先立つのは謙遜」(箴言15・33)