確定申告と税務署員マタイ

税務署はなじみもうすく、あまり縁もないが、年にいちどの確定申告にきのう出かけた。
パソコンの導入で以前の申告風景とさま変わりし、いまは1人の税理士が10人ほどのお客を相手に書類記入の相談。そのあと「タッチパネル」の前で、若い補助員が指を触れる順番を指導する。カラー画面で大きな字だから読みやすい。1時間足らずで終わり。
エスの時代、税務署員はユダヤ社会ではおとしめられ罪人とされた。まことの神を知らぬ支配者ローマ帝国の手先。民衆の搾取者ときらわれたのだ。
エスは12人の弟子に、マタイという税務署員を加えた。なぜか。おとしめられた人間の救いこそイエスの目的。マタイは救いの象徴だ。またイエスはマタイが仕事にうちこむ姿を見た。この世の仕事に熱中する者が主の僕の仕事に熱中する。マタイはイエスに「ついて来い」といわれ飛び上がって従う。「月給はいくら」と言わない。大喜びしたマタイは税務署員を集めて宴会。そのときだ。「丈夫な人に医者は要るか!病人だろう!」という、ユダヤ教をひっくり返すことばがイエスの口からとどろいたのは。
「わたしが来たのは、正しい人を招くためではなく、罪人を招くためである」(マタイ9・13)
(マタイについては「インターネット聖書話」2003年2月「マタイさんありがとう」を参照ください)