盲目のテナー歌手・新垣勉さん

きのう(3月11日)の夕方「新垣勉本上まなみ・贈る歌」をNHKの衛星放送で見た。
ここまで来れば新垣さんも大丈夫。10年ほど前、武祐一郎さんと「新垣勉友の会」を立ち上げたころとはまったく違う華々しさだ。
彼には声楽家として肉体に素質がある。咽喉科の医者がこんなにきれいな喉はないと写真を撮り診察室に飾った。またすごい耳を持つ。彼がわたしの肩に手を置いて東京駅を歩いた時「あっ誰か10円玉を落としました」という。5円10円50円100円の音の違いがわかるのだ。
それに語学の天才。新幹線で隣りのイタリア人とイタリア語で大阪まで話し、英語は中学卒業時に話せた。牧師だからギリシア語もわかる。それに武蔵野音大の大学院まで声楽を学び、バッハのマタイ受難曲の信仰を書いた修士論文大学図書館に永久保存。
つまりからだも、音感も、声楽の基本も整った上でのテナー歌手だ。そこが強い。ただわたしは、その出発点となったキリスト信仰が奥に秘められ滲みでる姿を願う。
「主よわたしの唇を開いてください。この口はあなたの賛美を歌います」(詩篇51・17)