イースターと本の復活

きょうはイースター。イエスの復活を祝う朝だ。
ところで、むかしわたしが勤めていた国立国会図書館では「本の復活」があった。
国会図書館中央書庫の第1層は深い地下。そこにむかしの上野帝国図書館の、明治、大正、昭和前期の本が15万冊ほど収まっている。
その書架の間を歩くと、まるで「本の墓場」をさまよう気がした。だれが明治・大正時代の「最新の電気技術」や「新しい育児」の本を読むだろうか。ただじっと墓標のように立ちつくしている。
しかし「本の墓場」から復活する本がある。夏目漱石や、内村鑑三の著書はちゃんと書庫の上層の、平成の書架にも装いも新たにならぶ。
なかでも聖書は、暗い1層にも、上層の新刊の棚にも、洋書の書架にも散らばる。グーテンベルグの42行聖書の複製から、最新の朴魯洙訳・韓国語新約聖書まで収まる。
本が復活するのは、その本を読む人が絶えないからだ。聖書が書庫の中でも復活するのは、聖書の中身のイエスに力があり、それに魅せられた者が読みつづけるからだ。復活のイエス国会図書館の書庫の中でも復活しつづける。
「聖書はわたし<イエス>について証しをするものだ」(ヨハネ5・39)