うわみず桜

shirasagikara2006-04-26

ふと二階のベランダから下をのぞくと、山桜と思っていた木に白い穂がたくさん見えた。山形の独立学園からいただいた木だ。10年あまり、ただ桜肌の幹は太り、葉は繁るばかり。それが咲いた!その穂は小花が40ばかり集まり、10㌢ほどの長さ。
さっそく学園の助川暢先生に電話をかけた。「間違いありません、それがうわみず桜です」。好事家のあいだでは珍重される木だという。
穂を切って壺に挿す。近くでみると優雅な花だ。白い五弁の桜形の小花から細い花弁が20、30本伸びて、遠くから見ると綿のように柔らかく、長い穂がかすかにゆれる。
漢字では「上溝桜」と書いて「うわみずざくら」と読ませる。むかしこの木に溝を切り穂花を焼いて占いに使ったのが名の由来という。
同じ庭に真っ赤な牡丹の大輪が三つ開いている。「われここにあり」の自己主張型の花だ。上溝桜は緑の葉のあいだに目立たず白い穂をゆらす。
花もいろいろ、人もいろいろ。キリスト信仰も、強い人、広い人、深い人、ひとそれぞれ。「花は花」であり「木は木」のように、強かろうと、弱かろうと「信仰は信仰」。救いに間違いなし。心配ご無用。
「木には希望がある。木は切られても、また新芽を吹き、若枝の絶えることはない」(ヨブ14・7)