日英・二人の気象庁長官

5月2日の「朝日新聞」朝刊「ひと」欄に「日本国際賞を受賞した英国の元気象局長官」の見出しで、ジョン・ホートン(John Houghton)さん(74)の紹介記事が写真入りで掲載された。
その「ホートン」というお名前と、「気象局長官」という肩書きから、おやっと思い一冊の本を取り出した。やっぱりそうだ。それは「アインシュタイン以後の宇宙観と信仰」で、「神はさいころを投げたか」の副題。ジョン・ホートン著 内田英治訳だ(1992年・すぐ書房刊)。
わたしはこの本を内田英治さんからもらった。彼は1985年から3年、気象庁長官をつとめ、ホートン長官とは旧知の仲。本書は日英・二人の気象庁長官が、篤信のクリスチャンとして、肝胆あい照らして生まれた本だ。
著者は宇宙を語り、ビッグバンや、空間と時間、波動、粒子を語りつつ、おのずと「みずからを隠す神」にふれ、神の啓示を「第五次元」ととらえ、偶然と見えることすら神の導きであり、それに驚いて神への礼拝にいたると結論づける。また「訳者あとがき」は内田さんの信仰告白だ。
内田さんがいれば、ホートンさんとの再会をどんなに喜んだことか。酒枝義旗先生の膝下で、内田さんも、わたしも共に信仰の薫陶を受けた。
「天は神の栄光を物語り、大空は御手のわざを示す」(詩篇19・1)
(このホームページの「人物短評」欄に「エノクのように」と題して内田英治さんの葬儀の辞を写真と共に掲載・1993年10月)