赤坂迎賓館での聖書研究会

きのうNHKハイビジョンで「華麗なる宮殿ー迎賓館の百年」を放映した。かつてこの建物の地下から天井裏まで走り回った者としてじつに懐かしかった。
1948年春、赤坂離宮の建物が国立国会図書館と決まった。周りは焼け野が原の東京。そこに夢のような宮殿があった。移転計画が何もなく占領軍のように早いもの勝ちで部屋を占拠する。わたしのいた調査局は、最初東御学問所という裏庭を望むきれいな部屋。
その5月、清水望、石原義盛、藤尾正人の連名で、職員入り口に「聖書研究会発足」を貼り出したところ、5月26日の第1回から10人ほど集まった。翌年1周年記念講演会を月曜から金曜まで開催。のんきな時代だ。政池仁「復活と基督教」、山田幸三郎「ファウストの救い」、小原十三司「現代人の要するもの」、酒枝義旗「聖書の婦人観」、大賀一郎「未定」のチラシが残っている。
小原十三司牧師が、舞踏のための羽衣の間を歩幅を測って歩き「いま霊感を受けました。この大きさの教会を建てます」と言われた。当時淀橋教会は米軍払い下げのかまぼこ兵舎、やがて羽衣の間のような細長い教会が建った。その聖研は58年後の今も健在。感謝。
のちウイーンでシェンブルン宮殿を見たとき、迎賓館はミニアチュア(小型模型)だと思い知った。
「何を見に荒れ野へ行ったのか。ぜいたくに暮らす人なら宮殿にいる」(ルカ7・25)