基督教独立学園のこと

shirasagikara2006-08-02

いまどき日本にこんな高校があるかと驚くのが基督教独立学園だ。
学園の中を深くえぐって滝川が低く流れる。まん中に橋。その左岸に校舎、男子寮、女子寮、運動場、図書館、食堂、牧舎。右岸はひろい農地。校地総面積は6万8000坪。
とにかく周りは深い緑の野山。1学年定員26名で全寮制だ。おなじ釜のめしを3年間食べる仲は生涯の宝。普通科高校なのに農作業や牛の世話、牧草刈りは毎日のこと。食堂での配膳皿洗いは生徒の役目で農場の作物がならぶ。また近隣農家の農繁期には学校をあげて手伝う。
内村鑑三の「読むべきは聖書、学ぶべきは天然、なすべきは労働」の、学園モットーそのままの教育。一日が聖書、賛美歌で始まり終わる。また受験教育は一切しない。しかも校長以下教職員の報酬は低い同額。多くの先生は学園内に住む。修学旅行は生徒が企画し2週間ほど北海道の牧場で働き高い山に登る。また生徒のコーラスが素敵だ。卒業時「さよならコサート」で声のかぎり歌う。
学園の平和教育は筋が通り、昨年10月、吉永小百合が来校し「原爆詩」を朗読。今年1月には土井たか子が「憲法勉強会」で生徒と対話。こと憲法や平和について、学園の姿勢は背筋がしゃんとしている。
もちろん学園にも問題がいっぱいある。しかし神が創立者・鈴木弼美に、山奥で少人数教育の志を与えたからには「ひやひやしながら大丈夫」の道を歩むにちがいない。
「あなたは、自分が学んで確信したところから離れてはなりません」(第2テモテ3・14)
(講堂の外壁には「神を畏るるは学問の始め」と、右からヘブル語で、左から日本語で書かれている)