美容師・本江慶子さん

shirasagikara2006-08-03

けさ頭を洗った。頭を洗うと本江慶子さんを思う。彼女は美容師。それもベル・ジュバンスという、頭をぬるい液体湯で洗浄し体内から毒素をぬくやり方だ。
この美容に出会えたことを、彼女は心から喜び、その大きな器械をわが家に運び、10年あまり、毎月わたしと家内、ここ5年ほどは100歳にもなる母まで頭を洗ってくれた。
最初、彼女と出合ったのは木曜夜の聖書の集会。彼女の美容室の客が、会話の中で「与えられたの」「備えられたの」と受身の言葉が多いので、「クリスチャンですか」と聞き、仕事柄日曜日教会へ行けないが聖書の話を聞きたいと訴え、その方の案内で来た。
砂に水がしみるように、福音は彼女の心に深く入り22年前に受洗。近年はわが家に移ってつづけた木曜集会を決して休まなかった。
折り目正しい方。控えめだが無口でない。考え深く、経営者の苦労は見せず、にこやかに客と接し、結婚はしなかったが家族思い。
それが昨年8月2日、近くの地下鉄早稲田駅前の大通りを、信号で渡っているとき、左折のオートバイにはねられて脳死状態。8月4日召天。66歳。
彼女の死後の備えに驚く。献体を決め、あちこちの教会や学校、団体に多額の寄付の遺言。あっぱれ慶子。あなたはキリストをつかむのでなく、つかまれているのを喜んだ人だ。
「主のいつくしみに生きる人の死は、主の目にあたい高い」(詩篇116・15)
(写真は2004年3月。左は101歳の母・貞子、右が本江慶子さん)