七夕まつり

shirasagikara2006-08-08

「荒海や佐渡に横たふ天の川」(芭蕉)。その天の川を渡って織姫と彦星が年に一度会うというのが七夕だ。
中央線の阿佐ヶ谷駅南口では今年も9日まで「七夕まつり」。べつに神社の神をまつるわけでもなく商店街の客寄せ。しかしみな頭上の飾りを眺め、大入りなのは金魚すくい
前から「七夕」と書いて「たなばた」と呼ばせるのが不思議だった。「棚機」(たなばた)が語源で、折口信夫によれば、むかし川や海に棚を張り出し、その上で乙女が機(はた)を織りながら遠来の神を待つ風習があり、それに中国から織女星(ベガ)と牽牛星(アルタイル)が、年に一度天の川を渡って会う星伝説が混じったらしい。
この「川で隔てる」「橋ができる」「女性が男性と会う」といった物語りは、朝鮮ではカササギ伝説となり、東南アジアではカラスとなって流布し、羽衣伝説ともつながるらしい。日本の「かぐや姫」にも近い。
ともかく七夕は、天を仰ぐ、上を見上げる、目を凝らすことが大事。東京では天の川どころか、星もたまにしか見えないが、地上でなく、大いなる宇宙に思いをひそめるのはいいことだ。葉竹の五色の短冊に願いを書く。祈りをしるす。七夕を換骨奪胎してキリスト信仰でながめてはどうか。主を待つ心で。
「輝く星よ、主を賛美せよ」(詩篇148・3)