真理は君たちを自由にする

shirasagikara2006-08-11

日本の国立の建物で、聖書のギリシア語が刻まれているのは国立国会図書館だけだ。不思議な主の導きで、わたしはそのことにかかわった。
国立国会図書館法には「前文」があり、「国立国会図書館は、真理がわれらを自由にするという確信に立って、、、ここに設立される」とある。羽仁五郎参議院図書館運営委員長の主張で入ったという。
赤坂離宮の仮住まいにいて、今の国会議事堂北隣りに、新国会図書館の建設が進んだ1958年ころ、工事施工の建設省の技官から、閲覧図書受付大カウンターの上の左に日本語で、右に飾り文字として横文字を入れてはと提案があったという。
日本語は金森徳次郎・初代館長が「真理がわれらを自由にする」と書かれた。そのとき図書館にも建築部があり、設計担当の佐藤仁君がわたしにヨハネ福音書のその言葉を、ギリシア語の大文字で書いてくれと頼んできた。彼も図書館聖書研究会の会員。
ところがギリシア語原文は「君たちを」(ヒュマス)だのに、国会図書館法は「われらを」(ヘーマス)だ。しかし原文が元だからと聖書そのままに「Η ΑΛΗΘΕΙΑ ΕΛΕΥΘΕΡΩΣΕΙ ΥΜΑΣ」(ヘ アレーセイア エリュウセローセイ ヒュマス)とした。
建設省の大部屋の梁に、原寸でギリシア語原文が張られた日の感動をわすれない。
「君たちは真理(キリスト)を知り、真理は君たちを自由にする」(ヨハネ8・32)
(写真のうしろの梁にギリシア語が彫られている。立つのは筆者)