日本の七奪

9月1日は1923年の関東大震災記念日だ。その激震のあと「朝鮮人が暴徒化して井戸に毒を入れる」というデマが流され、多数の朝鮮人が犠牲になった。
その3年半まえ、朝鮮半島で「3・1独立運動」がぼっ発し全半島に波及。抵抗は半年以上つづいた。逮捕者数知れず、死者7000人という。関東大震災で先のデマが出たのは、3年まえの朝鮮人の報復におびえたからだ。
「日本の七奪」という言葉がある。日本は朝鮮から「王を奪い」「国を奪い」(朝鮮王朝滅亡)「土地を奪い」(多くの良田を日本政府、東洋拓殖会社、日本人地主が所有)「米を奪い」(朝鮮米を日本に移出、満州の粟稗を朝鮮に移入)「命を奪い」(戦争で朝鮮人を戦死、酷使死させた)「姓名を奪い」(族譜を重視する伝統破壊)「言葉を奪った」(ハングル禁止)という韓国の主張だ。今の日本人は知らない。
けさも庭に槿(むくげ)が咲く。韓国では無窮花(ムグンフア)とよぶ。韓国の貨幣に刻まれる国花だ。これをむかし日本は独立運動の象徴と見たので、家庭では塀より低く切った。学校の文集に無窮花のカットを載せた教師は検挙。日本人はこれも知らない。韓国人がみな知って、日本人がまったく知らない「常識の落差」は深刻だと思う。
「あなたは根拠のないうわさを流してはならない」(出エジプト23・1 )