エスカレーター方式

JRでも私鉄でも、エスカレーターやエレベーターがずいぶんふえた。老人や乳母車や車椅子の方、それに大荷物を持った人などは助かる。
東京ではエスカレーターは左側に乗り、急ぐ人は右側を歩く。大阪では右側に立って、左側を駆け上がる。ただ東京でも大阪でも、ラッシュ時には両側ともどんどん歩く。
エスカレーター方式」という言葉がある。小学校から大学まで、同じ学園で試験なしに登ってゆく意味だ。これだと試験勉強という難関がないから、自由にのびのびと、その学園の教育方針を貫ける利点がある。しかし何度も入学試験に合格したり、落ちたり、苦労して登ってきたものとくらべひ弱な面は残る。
日本の仏教徒は「エスカレーター方式」だ。親代々「真宗」「真言宗」「日蓮宗」だ。しかし日本のキリスト教徒は、親代々ではない。たといつづいているように見えても、一代一代、区切れている。親は親、子は子でまた決心してキリストを信じる。
京都駅の伊勢丹デパートの正面エスカレーターは、2階から12階まで、まっすぐに上がれる。しかし各階の売り場に流れるスペースがある。もしキリスト教徒が、何代も前からつづいているとすれば、この「京都・伊勢丹エスカレーター方式」だ。ぷつん、ぷつんと切れてはつながってゆく。主の恵み。
「あなたへの信仰は代々に続き」(詩篇119・90)