NYで殴られた坊ちゃん

9・11から5年たちました。あのニューヨークの同時多発テロは、大富豪の坊ちゃんが、いきなり出てきた暴漢に、ガーンと顔を殴られたようなものです。
これまでチヤホヤされた坊ちゃんは、びっくり仰天うろたえて、「殺してやる!」と叫びました。ふつう殴られたら、殴りかえすのが関の山なのに、理性を失い、自分を見失い、暴漢の巣窟だと、アフガン、イラクを攻めました。そのため、罪のない市民が何万人も殺されました。
アメリカ合衆国は、東と西に大きな海を従え、これまで本土を攻撃されたことが一度もありません。だからたったビル二つの崩壊で、あわれなほど慌てたのです。
同じ先進国の英、仏、独、日本は国中めちゃくちゃに戦争でやられました。ロシア、中国も無残に切り裂かれれました。ビル二つの騒ぎどころではありません。お坊ちゃんのアメリカだけが無傷で暮らしていたのです。だから自分を見失っただけでなく、相手も見失いました。
ガーンと顔を殴った暴漢は、さっと姿を消しました。理性を失った坊ちゃんは「テロリストをやっつける!」と叫びましたが、無茶な振る舞いに怒る人がふえ、坊ちゃんはこの5年、よけいテロに怯えるようになりました。聖書の教えを忘れた酬いです。
愛する人たち、自分で復讐せず、神の怒りに任せなさい。『復讐はわたしのすること、わたしが報復する』」(ローマ12・19)