国旗・国歌の強制違憲判決

9月21日、東京地裁は東京都教委に対して、国旗、国歌の起立、斉唱を強制するのは憲法19条、教育基本法10条違反との判決を出した。
東京都教委は、日本一悪い教委だった。全国の卒業式で、これまで良心に随い、起立、斉唱しない教職員が、471名懲戒処分されたが、うち301名、じつに64%がが東京都だ。
米長邦雄・将棋名人は、99年以来この東京都の教育委員だ。彼が昨年10月、赤坂御苑の秋の園遊会に招かれたさい、張り切って天皇にむかい、「日本中の学校で国旗掲揚、国歌斉唱させるのが私の仕事」と話しかけた。ところが天皇は「強制になるということではないことが望ましい」と答えた。天皇のほうがわかっている。
日本のクリスチャンは明治以来、自慢じゃないがずっと少数派だ。少数派は多数派と意見が違う。だから、つねに自分の立っている立場や信仰を再確認し、信条を貫く自分を見つめていなくてはならない。少数派の痛み、悲しみ、自立、尊厳がわかる。多数派の仏教徒には想像もつかない。違憲判決に喜ぶ原告も少数派だ。
政府は99年の国旗・国歌法制定時に「強制しようとするものではない」と首相答弁をした。つまり少数派の立場を守るということ。天皇も同じことを言う。あとは石原都知事を、次ぎの選挙で替えるしかあるまい。
「虐げる者からわたしを解き放ってください。わたしはあなたの命令を守ります」( 119・134)