秋明菊と娘のリハビリ

shirasagikara2006-10-24

秋明菊が細かい秋雨にぬれて咲いた。白く小さな5弁の花だ。細長い茎が花を支え、さらに3枚一組の葉が茎に彩りを添える。
よく見ると花茎がPの字を画いて、くるりと曲がってまた上に向かって伸びている。強い風に吹かれ、曲げられて、また頭をもたげたようだ。
この頼りなげな小花が、リハビリに励む娘にみえる。何とか立っている。何とか歩いている。何とか握っている。それを夫と、娘と、ニューヨークにいる息子の三人が、懸命に支えている。
秋明菊の、いちど曲げられた首をもう一度、上に伸ばして立っている風情は、娘と同じだ。
娘はリハビリのため、病院の先生と近くのスーパーへ歩いて行き、肉、じゃがいも、玉葱などを買い、帰りはそれを手に持って、杖なしで歩けたという。
病院の調理室では、包丁も両手で使って、ホワイトカレーを調理した。それを夕食の患者さんと、いっしょに食べ、のこりは、土曜の自宅外泊のさい家族で賞味できた。
きょう10月24日は、娘がくも膜下の手術をうけてから、ちょうど4か月目だ。何という回復だろう。いのちが取り留められるかどうかの大出血だった。
主がまだ娘を地上に置かれるなら、新しい使命を与えられるに違いない。まだ今のところ秋明菊のように頼りなげだが、凛とした花を咲かせてほしい。
「山と丘はあなたたちを迎え、歓声をあげて喜び歌い、野の木々も、手をたたく」(イザヤ55・12)