塚本虎二先生 と清水望さん

shirasagikara2006-10-23

10月22日(日)、「塚本虎二先生記念会」があり、友人の清水望さんが講演するので、信濃町野口英世記念会館へ出かけた。演題は「福音と平和・ドイツに学ぶ」。
「塚本虎二」といっても、今はキリスト教会でさえ知る者も少ないが、内村鑑三の高弟で、伝道者・聖書学者。岩波文庫の「福音書」など聖書の名訳で名高い。
一方、望さんは国立国会図書館の創設期、石原・清水・藤尾の三人で図書館聖書研究会を1948年に始めた仲。彼はのち早稲田大学政治経済学部憲法の教授になった。
塚本先生と望さんの二人で、忘れられないのは望・澄子の結婚式だ。司式は塚本。<塚本>「のぞむさん。君はひとりのクリスチャンとして、この婦人を妻とし愛することを誓いますか」。<望>「はい」。ここまでならふつうだ。それからがすごい。<塚本>「のぞむさん。ひょっとすると君はクリスチャンをやめるかもしれない。そこでもう一度聞くが、一人の日本男子として、この婦人を妻とし愛しますか」。<望>「はい」。 <塚本>「のぞむさん。ひょっとすると君は日本国籍を抜け出すかもしれない。そこでもう一度聞くが、一人の男子として、この婦人を妻とし愛しますか」。<望>「はい」。
1954年のことだ。仲人は塚本の弟子で、のちの最高裁長官藤林益三夫妻。半世紀たっても忘れられぬことばがある。
「自分の体のように妻を愛さなくてはなりません」(エフェソ5・28)