酒とタバコ、中心と周辺

はじめて日本へキリストの/福音伝える情熱に/燃え立つ米国宣教師/万里の波濤かきわけて/日本へおいでになりました/1859年(安政6)のことでした。
それから年を数えて150/キリスト教はこの国の/すみずみにまで語られて/多くの人材生みました。
しかしキリスト教の伝道で/不幸が一つありました/最初に来られた宣教師/ブラウン、シモンズ、ヘボンさん/マジメでりっぱな方ばかり/お酒のむことなりませぬ/タバコ吸ってはなりませぬ/強く教えたこの二つ/いつしか教会の看板に。
キリスト教の看板は/イエス・キリストのはずなのに/信仰生活の周辺の/酒とタバコが中心に/でんと座って気の毒に/酒好きな人白い目で/タバコ吸う人肩せまい/イエス自身は「酒呑み」と/ののしられなすってブドウ酒を/飲んでいられたはずなのに。
タバコはからだに悪いから/お酒もすぎれば身の破滅/しかし酒とタバコはキリストの/十字架・復活のみ救いと/何のかかわりもありません。
一事が万事、この洗礼/いや無洗礼、この礼拝/一番良いと言い張れば/周辺ばかりに目が走り/中心ぼやけてかすみゆく/ああ滑稽、日本のプロテスタント、150年の風景の一席。
「あなたの神である主を愛しなさい。これが最も重要な第一の掟である」(マタイ22・37)