天井から男が降った

「ドーン!!」とすごい音がして、天井から男が降った。天井板を踏み外し、冷暖房器にぶち当たりながら、壁ぎわにドスンと落ちた。天井裏の電気用具を点検中の出来事。太った若い社員で幸い怪我はなかった。結局、天井板はぜんぶ張替え、冷暖房器も新品と替えてくれた。原因は、天井裏では梁の上を歩くのを、薄い天井板に誤り乗ったからだ。
しっかりした太い梁の上を歩くか、ひやひやする薄板を踏むかで人生が変わる。しかし、人間、ひやひやする危ない道を通らねばならぬこともある。もちろん、必ず踏み外す天井板には乗るべきではない。今から65年前、日本が真珠湾攻撃に出たのは、天井板を踏み外すような行動だった。そして大日本帝国は奈落の底にドスン!と落ちた。
イスラエルの荒野の40年は、ひやひやの連続だった。毎日、天からマナが降って養われた。マナを待つ心は、期待と、不安と、喜びと、確信が入り交じったものだ。今にしてわたしもそれがわかる。ブログを書くのは毎日静かに降るマナを仰ぐのと同じだ。期待と、不安と、喜びと、確信が入り交じる日々だった。そして元旦から10月末まで毎日書けた。そうだ、主を仰いで歩けば「ひやひやしながら大丈夫」なのだ。その要領がわかると、人生面白くなる。
「彼らは朝ごとにそれぞれ必要な分(のマナ)を集めた」(出エジプト16・21)