吉祥草(キチジョウソウ)

shirasagikara2006-11-12

吉祥草がことしも咲いた。細い茎を地上にはわせて根を張る多年草だから、ことしも咲いて不思議はないが、じつはきょねん初めてこの花に気づいた。植えた花ではない。いつの間にかふえていた。
庭の東南の隅に立つモチの高木の、根方1メートル四方にひろがり、ランのような細長い葉が密生し、その繁った葉陰に沈んで咲くので気づかなかった。
なんと奥ゆかしい花か。花茎は紫。そこにやはり紫色のつぼみが群がり出て、8センチほどの穂にのびる。花はもう100本あまり咲き、清らかな花園のふんいき。
きょねん、この花を発見したころ、たまたまわが家に来られた、山形の独立学園の今野和子先生にこの花の名前をたずねたところ、キチジョウソウと教えられた。
この花が咲くと、その家に幸福(吉祥)が来るというので名づけられたらしい。
一人の男性や女性が、その職場に入ったために、みながしあわせな心になり、職場が明るく元気になる。しかもその存在が隠れている。目立たない。
エスがこの世に来られた。すごい幸福のみなもとなのに、だれも気づかない。気づいたのは夜間労働者の羊飼いだ。いまの日本も世界も騒がしすぎないか。奥ゆかしく葉陰に咲き、幸いを招くキチジョウソウがそれを教える。
「静かにしているならば救われる。安らかに信頼していることにこそ力がある」(イザヤ30・15)