集権の朝鮮、封建制の日本、

NHKが放映した韓国ドラマ「チャングムの誓い」がきのう終わった。チャングムが恋仲のミン・ジョンホと結婚してのハピーエンドだ。
このミン・ジョンホは、年若くして科挙の試験に首席で合格した秀才の両班(ヤンバン・上流階級)との設定。朝鮮王朝は中国の中央集権制を採用して、優秀な人材を科挙試験で集め官僚として地方に派遣した。その伝統から、今でも韓国では中央を目指し、ソウル大学を目指し、日本より受験競争が激烈だ。
日本は徳川幕藩体制下、300諸侯が全国に割拠し地方文化が根づいた。医術なら長崎、学問なら近江の中江藤樹、伊勢の本居宣長、京都の山崎闇斎と各地に人材が並び立った。各藩は競って藩校をつくり学者を抱えて士族教育に励み、庶民の寺子屋も全国に普及。徳川末期、島原から売られた「からゆきさん」の女性でも「じゃがたら文」が書けた。
明治5(1872)年、日本が「学制公布」で義務教育をスタートさせたとき、その1年前に義務教育が始まった英国の識字率より、日本のほうが高かったといわれる。当時、日本人の三人に一人は読み書きができ、男性のみではもっと高く、都市ではさらに高く、プロイセン、オランダと並び、世界最高水準と推定。明治維新後の日本の近代化は徳川200年の封建制が後押ししたのだ。
内村鑑三の無教会主義という草の根キリスト教も、この日本の風土と無縁ではあるまい。
「神はその光を地のすみずみまで至らせられる」(ヨブ記37・3)