パレートの法則と12使徒

イタリアの経済学者ヴィルフレド・パレートの「パレートの法則」は、20対80で考えてゆく。20人の人が会議して、その全発言量の80%を、4人の人が話すという。あとの人は、無言か、時どきしゃべる程度。100人のセールスマンのうち上位20人が、80%をかせぐ。ある会社の全商品種類のうち、20%の部分が、80%の売り上げを占める。
これを応用すると、蔵書1000冊中200冊で80%の用が足せる。100人の知人中、よくメールする20人で80%をカバーできる。だから200冊を身近に置き、20人のアドレスをまず記憶させれば80%の仕事が可能だ。
わたしは12使徒群像を彫っているが、12人のうちよく発言するのは、やはり20%だと気づいた。つまり4人弱だ。
四つの福音書を調べてみると、よくしゃべるのは、もちろんペトロで33回。つぎがヨハネで7回。意外にユダが多くて6回。アンデレ5回、フィリポが4回。ヤコブ、トマスが3回ずつ。バルテマイ(ナタナエル)2回、もう一人のユダ1回で、あとの使徒は無言だ。使徒全部の発言量64回中、ペトロ、ヨハネ、ユダ、アンデレで51回。つまり80%だ。
キリスト信仰の大事な教えが10あって、一番上位の十字架と復活という二つ、つまり20%が、しっかりその人のものになっていれば、キリスト信仰の80%をカバーしているということだ。愛、希望、奉仕、その他の教えは20%の部類に入る。
「ペトロが答えた。あなたはメシアです」マルコ8・29)