クリスマスの星

ある夏の聖書講習会。場所は御殿場のYMCA東山荘。キャンプファイヤーが始まるので芝生の広場へ降りて行った。隣りに立つのは星の好きな横山哲夫さん。満天の星空を仰ぎ、あれがカシオペア、これが北極星と話しているとき、横山さんの表情が変わった。「おやっ!」と星を見つめているうちに、いきなり駆け出して行った。
やがて帰ってきた彼は「残念!」という。「何が?」「新しい星を発見したんだが、一足さきに発見した人がいた」。「どの星かな」「ほら、あそこのOO星の右」と言われても、わたしにはさっぱり分からない。彼は電話で新星発見の登録所に連絡したのだ。
ぜんぶの星の動きを知っての観測でなくては、新星は発見できない。聖書に出てくる東の博士は「東方でユダヤ人の王誕生の星を見た」という。それは毎日、夜通し、じっと星の動きを観測して初めて発見できること。子どもが歌う「ぴかぴか大きな赤い星」とは違う。だれでも分かる星ではない。
博士らは「根気よく上を見た」「新星をメシアと結びつけた」「長く苦しい求道の旅に出た」「新星を再発見し大喜びした」「星やマリアを拝まずイエスを礼拝した」「最高の物を捧げた」。この<求道><喜び><礼拝><献金>の順序がいい。
ユダヤ人の王としてお生まれになった方は、どこにおられますか」(マタイ2・2)