従軍慰安婦問題

従軍慰安婦」は民間業者があっせんしたので、「官憲が直接連れ去った強制性はない」と、安倍総理が国会答弁をして世界に波紋がひろがっている。
これまで韓国の元慰安婦が米国議会に、日本政府の人権侵害をいくら訴えても、ブッシュ大統領共和党が握りつぶした。それが昨年秋、民主党が議会下院の過半数を取り、公式謝罪を求める決議案が通りそうで、日本政府があわてている。
むかし、わたしと机を並べた同僚は衛生兵の軍曹。中国に派遣され従軍慰安婦の検疫担当だった。兵隊が梅毒に感染しないよう定期検診をした。その悲惨さをときに話した。まさに軍が関与し民間業者に集めさせていた。「軍」とは日本政府の一翼だ。直接連れ去ったかどうかでなく、日本国に責任なしといわんばかりの総理の答弁はがっかりだ。
オランダ植民地のインドネシアでは、オランダ人女性も慰安婦にされた。当時の朝鮮人、台湾人、中国人、東南アジアの数千人の女性を慰安婦にした日本軍の罪は深い。
傷つけられた人は、傷つけた人より、長くその受けた傷を覚え苦しむ。北朝鮮が日本人の拉致は解決済みというのはけしからん話。同じく従軍慰安婦問題は日本政府に責任なしと言えば、「女子挺身隊」とだまされ拉致され慰安婦にされた女性たちは、けしからんと叫ぶにちがいない。韓国YWCAの幹部のかたの「だまされた女性たちの無念」と、わたしの目をみつめた目がわすれられない。
「偽善者よ、まず自分の目から丸太を取り除け。そうすれば、はっきり見えるようになって、兄弟の目からおが屑を取り除くことができる」(マタイ7・5)