うそつき列島・日本衰亡のしるし

ことしになってからでも、いやというほど「うそ話」を聞かされた。
姉歯建築士の「耐震強度偽装問題」での国会証人喚問。アパグループのホテル、マンションも同罪と判明。それに厚生労働省所管の「国民年金不明記録が5000万件」にはあきれる。それに保険会社37社でも「保険金未払い」があった。加入者を欺いていたのだ。厚生労働省では「C型肝炎資料隠し」。ニチアスの「耐火建材性能のうそ」。
食品業界がまたひどい。ペコちゃんの「不二家」が賞味期限の偽装で槍玉に上がると、「食品の不正表示」がぞろぞろ200件も判明した。
記憶に残るのは、北海道の「ミートホープ」「白い恋人」。秋田の「比内地鶏」。信州・松本の「ゴールドパック」の野菜ジュース。創業300年の伊勢の「赤福」では34年間毎日製造年月日を張り替え偽装。それに「御福餅」も同罪。四国・丸亀の学校給食肉「村食」の偽装。九州・福岡「吉兆」の菓子・惣菜もうそだった。宮崎の「地鶏」も発覚。北から南までずらりとならぶ。10月末の防衛省元次官・守屋武昌の民間業者癒着収賄の国会証言を本当と思う国民はいまい。
企業や、銀行、官庁の不祥事で、トップがずらりとヨコ一列に並び、はげ頭で低頭する姿はもう見あきた。これら企業・官庁トップの低頭風景をテレビで見て、初来日した外国人は、日本の何の儀式かと驚くそうだ。
たしかにこれは謝罪のはずだ。しかし平然と人々をあざむきながら、見つかれば一様に「世間をお騒がせして申し訳ない」だ。見つからず、世間が騒がなければ、口をぬぐって知らぬ顔を決め込むつもりなのだ。その走る目線は左右の「世間さま」の水平方向だ。謝罪会見だのに「わたしは天にたいしても、あなたにたいしても罪を犯しました。悪かった。ゆるしてください」と悔い改め謝罪することばがない。江戸時代の町人でも「お天道さまに顔向けできない」と恥じたのに、水平の世間だけをを気にして、上下垂直の「神」と「私」の罪意識がないのだ。
なにかが崩れかかっている。日本衰亡のしるしだ。
「真実な証人はうそをいわない、偽りの証人はうそをつく」(箴言14・5)