失敗だらけの十二使徒群像

shirasagikara2008-03-17

2003年5月以来、もう5年も十二使徒群像を彫っている。遅々として進まないのは、彫刻はずぶの素人のうえ、ほかの仕事もかかえ、それによく失敗するからだ。2008年1月、ことしこそ群像完成と意気ごんだが、頼まれもしない「インターネット聖書ばなし」シリーズの刊行を始め、この発送に追われて、彫刻はまた遅れる羽目に。
タテ80センチ、直径35センチの桜材に、十二使徒を、上段3人・ペトロ、アンデレ、ユダ。中段4人・ヤコブヨハネ、フィリポ、マタイ。下段5人・トマス、バルテマイ、小ヤコブ熱心党のシモン、タダイと並べた。
失敗はたくさんあるが、中段のヤコブの右手を前に突き出し杖を握らせたが、その手が折れた。しかたない。その右手を胸にあて、その胸に魚を彫りだし、しっぽをつかませた。ヤコブも漁師だ。まあいいか。
上段のアンデレの両手も、胸の前で合わせる形にしたが、左手が、これまたぽろっと折れた。しかたない。左手を肩に上げ、背中に魚をぶら下げることにした。その魚は6匹。上からヨーロッパ、北アメリカ、南アメリカ、アジア、アフリカ、豪州の6匹だ。世界を漁(すな)どる姿だ。アンデレもガリラヤ湖の漁師。まあいいか。
近くの区立阿佐谷図書館から「魚の図鑑」を借り出し、その6匹を彫っている。えらの裂け目のほかに、目の後ろに筋があることもわかった。
失敗が思いもしない発想につながる。人生の失敗も同じだ。受験や、就職で失敗した者が、失敗しないで駆け上がった者より、豊かな発想を生むのではないか。
「神を愛する者たち、つまり、御計画に従って召された者たちには、万事が益となるように共に働くということを、わたしたちは知っています。」(ローマ8・28)
(写真左はペトロ、右アンデレ。アンデレの左半分が6匹の魚。下のΙΧΘΥΣ<イエス、キリスト、神、子、救い=魚>の旗は右下のフィリポが持つ)