プニプニのつらの皮

shirasagikara2008-06-02

5月30日(金)東京・駒場東京大学生産技術研究所の公開日に、尾上守夫先生が中を案内してくださった。この研究所が六本木にあったころ(その跡地に新国立美術館が建設)尾上先生はそこの研究所長だった。
まず新・生産技研の長大な建物に驚く。直線200メートルの廊下が高層研究棟を地下から上までまっすぐに貫く。100ほどもある公開研究室のうち、尾上先生はわたしでもわかる世界遺産の画像処理や、近未来の自動車制御システムとか、三次元の映像を案内された。最後に立ち寄った「顔のしわの研究」で、わたしは右こめかみに装置をあてがわれ、その「ヤング度」を測ってもらった(写真)。出た評価結果は「プニプニの柔らかいお肌です」。また「あなたのヤング率は 77 KPa」<桑水流博士 監修>」と、飛び切り若く出たのに83歳はびっくり。
しかし思いあたる点もあった。わたしは皮表紙の聖書によくハンドクリームを塗る。日本人は農水産民族なので、牧畜民の子孫の西欧人のように、皮の手入れを知らない。靴にはクリームを塗るが、皮表紙の蔵書が茶色の粉を吹いても人々は無頓着だ。
しかし週に一度でも皮の聖書にクリームをぬると、いつまでもピカピカだ。死んだけものの皮の表紙が柔らかく輝くなら、生きている人間にはもっと効くはずだと、顔のひたい、こめかみなどにクリームを塗る習慣がついた。そのあと、手に残ったあぶらで皮聖書を拭くのだ。ときには皮表紙の賛美歌も拭く。
もう一つ思いあたるのは、105歳の母の顔も、ひたい以外目から下にしわがない。わたしの「ヤング度」は、このDNAもあずかっているのかもしれない。
それにしても「つらの皮が厚い」と思われているわたしが、「プニプニのお肌」とは。お肌はプニプニ、心は鉄面皮というところ。納得。
「百歳で死ぬ者は若者とされ、百歳に達しない者は呪われた者とされる」(イザヤ65・20)