国会図書館聖研六〇周年

shirasagikara2008-12-22

60年まえの昭和23(1948)年5月26日、赤坂離宮(いまの迎賓館)にあった国立国会図書館の一室で、聖書研究会を石原義盛、清水望、藤尾正人の3人で始めた。この12月12日(金)の昼休みに、その60年を祝うクリスマス集会が、永田町の図書館であった。
そのころ、敗戦後の日本の中央官庁には雨後の筍のように聖書研究会が生まれた。衆議院参議院国立国会図書館、外務省、大蔵省、文部省、厚生省、労働省、郵政省、電気通信省国鉄人事院会計検査院、裁判所(地裁、地検、高裁、高検合同)、警視庁、日本銀行、貯金局・保険局。それに都庁も。覚えているだけでもこのくらいある。
それで連絡を取り合い名簿をつくり、赤坂離宮日本銀行で会合を開き、高等裁判所の講堂にエミール・ブルンナー博士を招いて合同講演会まで開いた。それが今もつづいているのは数えるほどしかない。
なぜか。ほかの聖研のことは知らないが、国会図書館聖研の場合は、つづいた理由の第1に職員の転勤がなかったこと。第2は月に1回、教会の牧師に来てもらう以外、会員相互が毎週交替で責任をもって集会をつづけたこと。第3は超教派の集会だったことだ。
それこそ無教会からカトリックまで、さまざまな教会の信徒がつどい、なんのわだかまりもなかった。900人近い職員のなか、中心の会員はわずか10名ほどだが、毎週「週報」を印刷し、会に出られない会員や、周りの関心のある方々に配って、いつしか「応援団」が出来た。つまり中核になる会員の外に出入り自由の層があって、さらに講演会などでつながる。
それに60年もつづくのは、人間の熱心ではつづかない。不思議に熱心な方が辞められると、またつぎの方が入って来る。そのくり返しだった。まさに神業。
「万軍の主の熱心がこれをなされるのである」(イザヤ9・7、口語訳)