職員組合と聖書研究会

shirasagikara2009-03-02

2月27日(金)の昼休み。東京はおりからの雪だった。
わたしは地下鉄の永田町から地上に出て、久しぶりに国立国会図書館に入った。ここは、むかしドイツ大使館跡で、60年前は米軍の爆撃で瓦礫の山。ただ交差点を渡ったところに立つ、一本の楠の大樹だけが大使館の名残りだ。
この日、職員組合の文化祭の催しで、聖書研究会が60周年の記念企画をし、わたしを招いてくれた。国立国会図書館は60年まえ国家がつくった。職員組合は60年まえ職員の大多数でつくった。しかし聖研は、石原義盛、清水望、藤尾正人の、たった3人の職員有志でつくった。このひよわい聖研が、組合主催の文化祭で、国立国会図書館のなかで会を開く。ふしぎなこと。たくさん、有志の「俳句の会」「謡の会」「短歌会」「コーラス」などが、生まれては消えていった。ずっと残っているのは「組合」と「聖研」だけだ。
吹けば飛ぶような聖研が、いまだにつづくのは主の働きだ。人間業とは思えない。有力な会員の一人が退職すると、不思議にまた新しい方が加わる。そのくり返しだ。それも男性の会員の何人かが中心にいて、主のために熱心なのがうれしい。
国立国会図書館の閲覧大カウンターの上には「Н ΑΛΗΘΕΙΑ ΕΛΕΥΘΕΡΩΞΕΙ ΥΜΑΞ」(真理はあなたがたを自由にする・ヨハネ福音書8・32)の聖句が彫り込まれている。国立の建物としては日本で唯一でないか。これが彫られた1957年ころ、国立国会図書館の聖研は、日本語の聖研のほかに、ギリシア語の聖研も数名で毎週つづけていた。ルカ福音書は1956年2月に、ヨハネ福音書は1957年4月に、マタイ福音書は1961年3月に輪読を終えている。そのことと「真理は」と無縁ではない。これも主の働き。
「あなたたちは真理を知り、真理はあなたたちを自由にする」(ヨハネ福音書8・32)