イエスさまへの年賀状

エスさま。あけましておめでとうございます。世界中から、あなたさまへ年賀状が届くでしょうが、日本の片すみから、わたしも1枚お送りします。
なにがめでたいといっても、あなたが天におられ、わたしが地で生かされている。こんなありがたいことはありません。ほかのことがみな消えても、あなたと、わたしの、タテのきずなが切れないことが、まことありがたい、めでたいことでございます。
エスさま。あなたは2000年まえ、十字架でわたしたちの罪をあがなうため、死んでくださったあとも、ずいぶんご苦労なさいました。あなたを信じるといいながら、そむいたり、疑ったり、どうしようもない人間の、面倒をずっと見てくださったのですから。
エスさま。あなたがご存じのように、しもべは、もう85歳になりました。20歳(はたち)まで生きないといわれた弱虫が、その4倍あまりも生かされたのですから、あきれています。なんでこんな長生きをと、いぶかっていましたら、昨年暮れ、はたとわかりました。86歳の友人・勝原文夫君が、12月14日、あなたを信じる「信仰告白」をされたのです。「なんじ神の国に遠からじ」というところにいた彼が、人生の終わり近くに、あなたとタテの関係に入り、あなたを「南無アッパ」と呼ぶようになったのです。この日のために、わたしは生かされてきたのだと悟りました。
エスさま。愚かなしもべは、年を重ねると、だんだん神さまに近くなり、信仰も深まるものかと思っていましたが、出来そこないのわたしなどは、なんのなんの、いっこう聖人とは縁遠く、どうにも、こうにもしかたのない老人でございます。人様はご存じありませんが、あなたと、わたしの家内には、わたしがどんなくだらぬ男かを、知り尽くされています。しかしそんなわたしと知ったうえで、あなたは丸ごとゆるし、救ってくださっています。感謝です。ことしも、ゆるされた罪人として、喜んで歩かせてください。イエスさま。

        2010年 元旦。    藤尾 正人