十二使徒群像「六大陸の魚」

shirasagikara2010-03-15

わたしの十二使徒群像を後ろから見ると、ペトロとその兄弟アンデレが左右に並び立ち、その左にユダがうずくまる。そして右下に、フィリポが片肌脱いで「ΙΧΘΥΣ(イクトウス)の三角旗」を掲げ持つ構図だ。その旗がペトロとアンデレの後ろにひるがえる。
はじめアンデレの両手は胸の前で合掌させたが、彫っているうち左手がぽろりと折れた。木彫の面白いところは、失敗からあたらしいアイデアが生まれることだ。折れた左手を肩に上げ、背中に6匹の魚を背負いぶら下げさせた。
アンデレもペトロと同じく、背中が外被でふっくらしていたのをさいわい、そこに魚を彫りこんだ。近くの区立阿佐ヶ谷図書館から「魚の図鑑」を借りて、タテ、ヨコ、自在に魚をならべた。そして青や黄色やピンクなど彩色した。問題は6匹をどうつなぐかだ。はじめひもでくくってゆこうかと考えたが、ひもを彫り出すのがむつかしく、網をかぶせることにした。
スーパーで、網入りのタマネギ、ニンニク、オクラなどを買ってきて、試してみたが、色が気に入らず、いずれも短い。さいごにデパートで、大きな白い網入りのニンニクが50個ほど入ったのを見つけ、それを左手に握らせ、端を接着剤で固定し、肩をはわせ、背中の6匹をつつみ完成。魚の細部の不出来も網でごまかせた(写真)。その6匹は、前にも書いたが、イエスさまの生まれたアジア大陸。イエス一家が逃げたアフリカ大陸。パウロが伝道に渡ったヨーロッパ大陸。そして南北アメリカ大陸と、オーストラリア大陸だ。そのすべてに、いまイエスの福音がひろく宣べ伝えられている。
ペテロとアンデレは、さいしょ共に長い裾までの外被だったが、両足を彫り出した。足を出したので、あちこち前後左右が透けて見えるようになり面白い。その足にブーツを履かせ、ゲートルを巻き、「いざ、伝道に」と勇み立たせている。
足といえば、下段の五人衆はすべてはだしで、片足指25本もいちおう彫り出したが、爪の彩色はまだだ。それにあちこち気になる箇所もある。いつまでも未完成の「十二使徒群像」。
「弟子たちは出かけて行って、至るところで宣教した」(マルコ16・20 )