イエスさまは、ヤコブとヨハネの「いとこ」?

shirasagikara2012-03-25

6年かけて「十二使徒群像」を彫ったおかげで、十二使徒と仲良しになった。ユダの広げた右手を彫るときは後ろから抱いて指を削る。「ユダさん、あんたも苦労したね」とささやきながら。
わたしの十二使徒は上段3人(アンデレ、ペトロ、ユダ)、中段4人(フィリポ、ヤコブヨハネ、マタイ)、下段5人(トマス、バルトロマイ、アルファイの子ヤコブ熱心党のシモン、タダイ)が並ぶ。だから上段中央にペトロ。中段の内側2人がヤコブヨハネだ。つまり十二使徒の中央に「ペトロとヤコブヨハネ」の3人が並び立つ(写真は上段、中段)。
この3人は、「ヤイロの娘の癒し」「山上の変貌」「ゲッセマネの祈り」という大事な場面に、ほかの弟子を置いて主がお連れになった。しかし、どうして主はこの3人を特別愛されたのかと思案しながら彫っているうち、「ああ、そうか」とわかった。イエスさまと、ヤコブヨハネは「いとこ」かも知れないなのだ。
福音書の最後に十字架の死がしるされる。そこに出てくる女性の名前は、名前のないルカ福音書を除きこうだ。
「マタイ福音書」27章。マグダラのマリアヤコブとヨセフの母マリア、ゼベタイの子らの母。
「マルコ福音書」15章。マグダラのマリア小ヤコブとヨセの母マリア、サロメ
ヨハネ福音書」19章。マグダラのマリア、クロパの妻マリア、母マリア、母の姉妹。
ここで、マグダラのマリアを消し、小ヤコブとヨセの母マリアは、クロパの妻マリアと同一人物と見て消すと、「ゼベタイの子らの母」が残る。これがヤコブヨハネの母であることはいうまでもない。そして、その名は「マルコ福音書」でサロメとわかる。すると残るのは、母マリアと、その姉妹となる。この「母マリアの姉妹」が「ゼベタイの子らの母・サロメ」とすれば、イエスと「ゼベタイの子ら」はいとこになる。だから、この母が、自分の息子たちに天国の上座を、甥であるイエスに願ったのかも知れない。またイエスが十字架の上から「あなたの母だ」と、ヨハネにマリアを頼んだのも、伯母・甥の関係があったゆえかも知れない。もちろん定説ではないが、聖書は面白い。
「王座にお着きになるとき、この二人の息子が、一人はあなたの右に、もう一人は左に座れるとおっしゃってください」 (マタイ20・21)