韓国の教会 日本の教会

shirasagikara2012-10-15

日本のキリスト教会は、だいたい会員が平均100人ほどで、礼拝出席者は50〜60人程度です。無教会も小集会が多い。韓国では100人くらいは教会とはみなされないで伝道所とよばれます。韓国の教会は数千人、いや万を越える大教会がざらです。どうしてでしょう。
アジアでキリスト教の伝道が量として成功したのはフィリピンと韓国だけです。フィリピンには大きな宗教がなく、アニミズム(精霊信仰)が信じられていました。そこをスペインが占領しカトリックが入ったのです。ところがそれ以前にイスラムが入っていた南のミンダナオ島にはカトリックは今も少数派。
韓国は14世紀末に李王朝が生まれてから「崇儒廃仏」政策を始め、仏教を圧迫し儒教を政治文化の基礎に据えました。とくに16代の仁祖時代(1623−49)に、仏教僧侶を城壁のある町から追放する命令が出され、朝鮮半島儒教国家になったのです。しかし儒教はいわゆる宗教ではありません。その宗教希薄地帯へキリスト教が入って成功したのです。
ですから、キリスト教国といわれたイギリス、フランス、オランダに植民地化、保護国化されても、ヒンヅー、仏教、イスラムの強かったインド、ミャンマー、マレーシア、タイ、カンボジャ、ラオス、ヴェトナム、インドネシアは、キリスト教もごく少数派に終わりました。半植民地の中国も道教キリスト教を阻んだようです。日本は植民地化されませんでしたが仏教が強くキリスト教もごく少数派です。韓国の教会とは歴史が違うのです。
しかし毎週、礼拝者が千万と群れる大教会では、牧師と個々の信徒とのつながりは薄くならないでしょうか。たとい多くの副牧師や伝道師や信徒リーダーを配置しても、肌と肌とのふれあいは濃密ではないはずです。
キリストのまことの大教会とは、会堂が大きく教会員が多いことではありません。その教会でキリストがどれだけ大きく見えているかどうかです。じつは日本の小教会は理想の形なのです。いや小教会、小集会バンザイなのです。キリストを大きくあがめる度合いの濃い教会が出来やすいのです。心ある韓国の教会人もそう思っています。
「小さな群れよ、恐れるな。あなたがたの父は喜んで神の国をくださる」(ルカ12・32) <写真は庭の金木犀