復讐の倍返し、恵みの100倍返し

shirasagikara2013-09-09

テレビドラマ「半沢直樹」が大評判。2013年9月第1週の視聴率は東京も大阪も30%でトップだ。大手銀行員の彼が、上司の理不尽な締めつけに「やられたら、やり返す。いや倍返しだ」と凄んで実行し喝采を浴びている。しかし人間の復讐ほどコストが高くついて益にならぬものはない。復讐は復讐の連鎖を生みかねない。
聖書は「自分で復讐せず、神の怒りにまかせなさい。復讐はわたし(神)のすること。わたしが報復する」(ローマ12・19)と、「神におまかせ」をすすめる。これ、ほんと。
卑怯者の原理主義者が、陰で、一方的に、わたしを激しく弾劾したとき、この聖句でやっと支えられた。こころに血を流して忍んでいると、相手は間もなく目が見えなくなった。神がなさったことに身が震えた。「生ける神の手に落ちるのは恐ろしいこと」だ(ヘブル10・31)。わたしは静かにそこを出た。
エスさまは、復讐でなく、主のために捨ててもらえる「恵みの100倍返し」を提唱される。「わたしのためまた福音のために、家、兄弟、姉妹、母、父、子供、畑を捨てた者はだれでも、今この世で、迫害も受けるが、家、兄弟、姉妹、母、子供、畑も<百倍>受け、後の世では永遠の命を受ける」と(マルコ10・29、30)。「捨てた者」が「捨てた物」を100倍にしてもらえるのだ。これも、ほんと。
五十嵐健治という19歳の白面の青年がキリストを信じた。のちの白洋舎創業者だ。うれしくて実父に報告すると、キリスト嫌いの父から「なんじは国賊なり。売国奴なり。親子の縁を切る」と宣告された。その父がのち衆議院議員に立候補し、政敵に家業の酒蔵の仕込み大樽全部の栓を抜かれ大損をし、気弱になり、福音に耳を傾け「わたしのため神に祈ってくれ」「死んだら、お前の神のところへ行く」と言い出した。また母もキリストを信じた(「恩寵の木洩れ日」p219)。つまり「恵みの100倍返し」を受けたのだ。
「キリストは、ののしられてもののしり返さず、苦しめられても人を脅さず、正しくお裁きになる方にお任せになりました」(第1ペトロ 2・23)。<写真は9月の庭のノウゼンカズラ