財布を落としました。正直な日本人

shirasagikara2014-05-05

五月三日(土)の午後、財布を落としました。自転車でスーパーへ行き、買い物をして帰宅すると財布がないのです。どこでなくしたか、とんとわかりません。家内はスーパーのレジ清算伝票に印刷された電話番号で問い合わせました。すると係員が預かっているという返事。ほっとしました。さっそく長男の嫁さんが自転車でもらい受けてくれ、しかも店員が発見したので、謝礼もいらないというのです。
巨大都市・東京を管轄する警視庁の管内で、二〇一三年、遺失物を「落としました」という届け出にたいし、「拾いました」という届け出は約八〇パーセントでした。また二〇一一年、都内で現金を落とした額は二八億円。拾って届けた額は二〇億円。七一パーセントです。これは世界をみわたしてもかなり高率とか。日本人は正直な民族なのです。
二〇一三年秋、サウジアラビアラマダン(断食月)に、「思考の改善」というテレビ番組が連続放送されたさい、日本の「拾いものを届ける文化」を取り上げたそうです。
サウジのテレビ局が、わざと東京都内の路上に七〇〇〇円入りの財布をおき、それをだれが拾い、どう行動するかを隠し撮りしたのです。それを拾った親子のあとをつけると交番に届けていました。レポーターのアハメド・ジュガイリさんは「驚きました。財布を警察に持って行きました」。これはイスラム教徒も、正直な日本人に学ぼうとする番組です。ニューヨークやパリではこうはゆかぬようです。東京はありがたい街だとおもいました。
もちろん、日本人にも悪い人はいっぱいいます。うそつきや詐欺も横行します。しかし「振り込めサギ」が減らないのは、正直で人を信じやすい日本人の性格を逆手に取った犯罪だからです。知人の韓国陶器商が「世界と商売をして、いちばん正直だったのは日本人だった」ともらしました。 それに日本社会では、クリスチャンは正直でウソがないという評価があります。うれしいこと。「落し物を拾い、それにつきあざむき、偽って誓う罪」(レビ六・三、口語訳。新共同訳では、レビ五・二二)
<写真は庭のジャーマンアイリス